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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(167) 『S‐Fマガジン』1964年2月号 四周年記念増大号

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1964年2月号


『宇宙開発のタイム・テーブル』

 今から考えると、ちょっと無謀なタイム・テーブル。でも、読み物としては楽しいかも。

ロバート・A・ハインライン『血清空輸作戦』

 3,5Gの大加速に必死に耐えながら、彼は暗黒の宇宙を飛んだ。そこ、冥王星の前線基地で、瀕死の同胞が彼の運ぶ血清を待っているのだ!

 ストルガツキーの短篇では7Gとかに耐える人間がでてくるのだけれど、それは無理なんじゃないかなあとこの短篇を読んで思いました。Gに耐える男の辛苦、そしてダークなラスト。ひたすら、辛いG体験は、マゾっ気のある人にオススメ。Mの僕は楽しみました。

ロバート・シェクリイ『最終兵器』

 火星人の残した伝説的武器の威力は、三人の地球人が想像もしていなかったものだった。

 機械の兵隊さんたちが、鉄人28号みたいでよかった。最終兵器はちょっと満足にはほど遠かったように思います。

『夢魔の標的』

 とばしました。

アーサー・C・クラーク『未来のプロフィル 第四章 重力を超えて』

 現在、重力というものは解明にいたっていないというお話と、いつか反重力装置はできるはずだ、とおっしゃっています。

大伴秀司『SFを創る人々・その9 SF新波五人男』

 その五人は、伊藤典夫・平井和正・豊田有恒・半村良・野田宏一郎。みんな写真が若い。

インタビュウアー 豊田有恒・野田宏一郎・伊藤典夫・平井和正『ようこそサーリング!』

 ミステリー・ゾーンのプロデューサーロッド・サーリングのインタビュー。

ウラジーミル・ミハイロフ『黒い鶴』

 親友をうばった黒いツルを黒暗々の宇宙空間に追い求める老パイロット。だがツルはまるで生き物のように老人の執念を翻弄し、あざけるのだ!

 うーん、途中はなんだかつまらんけれど、最後の光景が好きだったので。全体的には低調に感じました。

飯田規和『ソビエトSF’62~’63』

 ソビエトSFの紹介。

手塚治虫『SFファンシーフリー 第8話 ガリバー旅行記(続)』

 ガリバーの背中に入れてある広告がいい味だしてる。

さいえんす・とぴっくす

 通信衛星時代が本格幕開け(日)。ケネディ大統領暗殺のニュースが一番最初の報道でした。政治家が凶弾に倒れないような社会を・・・・・・。

加納一朗『ギズモ』

 ブラウン管の青い輝面が、そのまま大きな目になってぼくを見つめる。そして声なき声が、ぼくの脳細胞の間をしみとおってくる。

 なかなか面白い。

伊藤典夫『マガジン走査線』

 科学にこだわるSF誌が『アナログ』、そうでない人間には『ファンタジイ&サイエンス・フィクション』というすみわけが成立しているそうです。リック・ラファエルの『渇きを癒す人々』の紹介を中心に僕の知っているところでは、『彼らは、昔のようにして、いのちを創りはしない』ベスター『洪水』ゼナ・ヘンダースン『消耗員』ヴォクト『伝道の書へのバラ』ゼラズニイ『三角の輪』アンダースンなどが紹介されてます。

豊田有恒『退魔戦記』

 田舎町の古寺に伝わる古文書が高分子合成紙を使っていた。だが、その内容はさらに驚くべきものだった。

 戦国時代に未来の軍隊を移入するというお話。タイムトラベルものです。そこそこ楽しめました。

平井和正『悪夢のかたち』

 暗闇に意識がうごめく。引き裂かれ四散したおのれの破片をさぐり、つなぎ合わせようとはかなくもがく・・・・・・。

 自分の記憶と思われたものが、実は違ってきてしまう。この不安定要素が実に素晴らしい。そして、愛欲にただれていく後半。こんなはずはない・・・・・・と思いつつやってしまう罪悪と、それが実は・・・・・・というサスペンス的要素が絡み合って、面白い作品になっていると思います。

石川喬司『戦略的SF論』

 これは先日読んだのですが、SFが新しい文学要素を開拓していくという部分が、現況を暗示していて面白いです。

SF DETECTOR

 『宝石』12月号の筒井康隆『座敷ぼっこ』が「光る」と褒められています。ちなみに、この後筒井氏は『SFマガジン』では12月号まで待たないとなりません。

福島正実 公開書簡『SFをめぐって』

 というわけで、荒正人との論争の第二ラウンド。闘う編集者福島正実。

マレイ・ラインスター『ロボット植民地』

 壊滅に瀕したロボット植民地の生残者の救出に急行する奇妙な救助隊!作家、ファン、評論家がこぞって絶賛した巨匠快心の傑作!

 1956年度ヒューゴー最優秀短篇賞受賞作。というわけで、なかなか面白かった。ただ、ロボットに対する観点がちょっと古かったりするので、少し期待値にそむいたかな、という感じ。でも、熊と現地生物との対決とか面白かった。けれど、植民のために、生物を皆殺しにしたりとか、そういった思想の面で共感できない部分も多々。
知性が足りない。

 総評:ベストはハインライン。平井和正の短篇もよかった。『ロボット植民地』は確かに面白いのだけれど、時代遅れになっているかもしれない。
 人気カウンターは①時果つるところ②D小惑星のエピソード③最初の試み④人間の生活⑤軌道の天才(前)次点巡視船2205でした。
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