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SF読もうぜ(183) 筒井康隆『細菌人間』

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ジュブナイルの単行本未収録作品集


『細菌人間』

 ある日、キヨシの家の庭にイン石が落下した。その奥にあるものを掘り出そうとしたのだが・・・・・・。

 『ミクロキッズ』とか、『ミクロの決死圏』のような感じのお話です。解説では、それより早い時期だというから、素晴らしいアイデアですね。

『10万光年の追跡者』

 
オリオン星人にさらわれたサチを追って、ヒロシはどこまでも宇宙を行く・・・・・・。

 女をさらって逃げるという頭のよくない宇宙人を追っていく主人公。途中でのスパイダアという異星人との交流が微笑ましくていいです。

『四枚のジャック』

 
オリオン星人との戦闘の最中、士官学校を卒業間近の櫟は同級生四人から臆病者呼ばわりされ、その印として四枚のジャックのカードを渡されたのだった。

 『四枚の羽根』を下敷きにした作品だそうです。シェクリイの『千日手』を意識したようなシーンが見受けられます。

『W世界の少年』

 震度五の地震があったと新聞には出ているのだが、成一や敦子はそんなことをいっさい感じなかった。彼らは丘のトンネルをくぐるが、そこで遭遇したのは・・・・・・。

 解説にも書いてありましたが、『発狂した宇宙』を意識した作品。SFに対する茶々が楽しいです。女性の描き方がいかにも筒井さんらしいなあと思いました。

『闇に告げる声』

 
エスパー仲間の信二がさらわれた。健男、純、香奈子はそれぞれ読心、透視、テレポーテーションの能力を駆使して信二を救おうとするのだが・・・・・・。

 これのみ全集に収録されています。『七瀬』につながる要素があります。僕としては『人間以上』を連想しました。筒井さんの小説では、異端者は徹底的に迫害されて、それは児童ものでも変りませんね。ラストの新たなる一歩の踏み出し方が好きです。

 総評:ベストは再読でも『闇に告げる声』です。『四枚のジャック』は登場人物の名前が面白いです。主人公とヒロインの名前は筒井さんのペンネームから。ほかに大松、卓村、豊井という人物も登場しますが、これらは誰だかすぐに連想できます。表紙もいいですね。
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