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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(217) ウィリアム・ギブスン『あいどる』

img161.jpg 世界的人気を誇るロックバンド、ロー/レズ。なんとメンバーのレズが、日本のホログラム・ソフトウェア「あいどる」と結婚するという噂が世界を駆け巡った。熱狂的なファンであるチアは、真偽を確かめるべく、東京へと飛ぶ。一方、情報の奥に結節点と呼ばれる特異点を見ることのできる男、レイニーは、レズと「あいどる」の関係を探り出すべく動き出した・・・・・・。
 幻視者ギブスンによる21世紀東京の姿!

 まあまあ面白かった。

 テスト中に読み出したのがまずかった。疲れていたので、頭に入ってこない。それでも、読まなきゃならんという妙な義務感で先を読み進める。頭に入ってこない。だから、ページが前のほうに戻っていく。むりやり読み進める。頭に入ってこない・・・・・・。という悪循環。

 でも、なーんか変な日本の様子だけはやはり頭に残る。カップ・ヌードルの麺が髪の毛に引っかかっているオタクの正彦。テレビではなぜかコマの競技大会。わらわらを集まってくる黒髪の少女たち。東京であって、東京でない、その幻想的な雰囲気がギブスンを読むときには大切にしたい部分です。日本文化のパラレル・ワールドっていう感じでしょうか。

 少女が事件に巻き込まれていく・・・・・・というパターンもいい加減見飽きたなあというか、前作と一緒だなあと思いつつ批判的に読んでいたので、物語の内部になかなか入っていけませんでした。そもそも、誰に感情移入してよいかがわからなかったんですねえ。まあ、自分が一番近いのは正彦だとは思いますがね。世界に名だたる「オタク」の一員ですから!

 「データの結節点が見える」という超能力がありながらも、なぜだか最後までさえない主人公レイニー。前作の主人公ライデルとは大違いです。そのへんも、物語が印象に残らない印象の原因ですかねえ。全体的に物語が散らばりすぎて、何がしたいのかがよくわからなかった。一番大事なのはヴァーチャル・アイドルとレズとの結婚なんでしょうが、もうちょっとそこに集中してもよかったんじゃないでしょうか。

 っていうか、物語を把握できなかったのは、このところ体調があまりよろしくない自分のせいでもあるのですが・・・・・・。内容を忘れた頃に、もう一度トライしてみたい一品です。
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