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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

モラトリアム

   

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SF読もうぜ(346) 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

辛い境遇にある少年ジョバンニは、星祭の夜に親友カムパネルラとともに、銀河ステーションから旅に出る。銀河を走る鉄道旅の幻想的な美しさと生と死をめぐる悲哀を描いた物語。
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SF観ようぜ(4) 「天空の城ラピュタ」

初めて「ラピュタ」を観たのは14歳のときだった。

 家族がカラオケに出かけた後、両親の部屋に置いてあるテレビを独占して、一人で観たのだった。しーんとした家の中、僕と映画だけの対話の時間だった。

 エンドロールの「君をのせて」が流れる間、映画に対して真摯な姿勢を見せないといけないと思ったのか、僕は畏まって正座をしていた。そんな気持ちになるのは小説以外では初めてで、宮崎駿という人の作品に僕は胸を撃ち抜かれてしまったのだ。

 あれから16年。30才になった僕は今まで何度も見返したはずの作品をまた見て、涙している。14才で観たときと同じように。作品の内容や魅力については今さら語るまでもない。活劇に手に汗を握り、気持ちのいい人たちや父親や好きな人とのつながりに涙し、悪役の狂気に背筋を寒くし(そして、どこか共鳴し)、文明という巨大なものに恐れおののく。小さな物語から、大きな物語まで、その美しさに心を囚われる。

 見た後に思わず興奮に囚われたまま、昔、コレクションしたパンフレットや「ロマンアルバム」「ジ・アート・オブ」をパラパラめくる。野田昌弘さんのインタビュー記事やフラップターの構想段階のイラストにレイ・ブラッドベリのサインが入っていたなどの情報にSFファンとして反応してしまう。この作品も僕のSF熱に火をつけたものの一つなのだ。僕という人間を構成する材料の一つにこの作品もなってしまっているのだ。

 ふと、ハイロウズの「十四才」という曲を思い出す。ボーカルの甲本ヒロトが十四才のときにロックンロールで受けた衝撃を「かもめのジョナサン」のジョナサンに語り掛ける形で回想するという歌詞だ。

 それは僕の心臓ではなく
 それは僕の心に刺さった

「ラピュタ」を観たときの僕の気持ちは、まさにこれだ。そして、この歌はこうくくられる。

 あの日の僕のレコードプレーヤーは
 少しだけいばって こう言ったんだ
 いつでもどんな時でもスイッチを入れろよ
 そん時は必ずお前 十四才にしてやるぜ

今日、僕は映画の時間の中だけ14才に戻って、そして、30才の肉体にまた帰ってきた。あの頃、夢見ていた自分とは程遠い。でも、誰になんと言われようと好きなものを大切にして、自分の感性を信じていこうと幼いながらに決めた人生の指針だけは、牙城を守れているんではないかと14才の自分に言い訳したい。だって、俺、まだ「ラピュタ」で涙できるんだぜ。

 僕にとっては単なる映画の一本ではなく、「宝物」といえる作品なのです。

サッカーコラムの悦楽

早起きして見たACミランでの本田圭佑のデビュー戦。ポスト直撃のシュートには思わず大きな声を出しました。ここ五年ほど、サッカーにはまっている僕。試合を見るのもいいですが、日々情報を収集し、試合を愉しむための勉強も大事。通勤のお供はスマホでのサッカーコラムサイトのチェックです。

 オススメはこちら。

 JSPORTS

 サッカーの放映を手がけるテレビチャンネル「JSPORTS」内のコラム。複数人のものが読め、非常に嬉しい。特に好きなのは平床大輔氏のコラムというよりはエッセイ。諧謔をまじえながら、現地でのニュースを紹介してくれ、テレビ桟敷での観戦に彩りを加えてくれます。

 スポーツナビ

 こちらは特に代表選での宇都宮徹壱氏のコラムを読むのがいつも待ち遠しい。宇都宮氏のコラムは単なる試合評ではなくサッカー「紀行」となっているのが特徴。現地文化・対戦相手の文化への考察など一読の価値あり。本にまとめられたものもあって、読んでいて楽しいのです。

 Number web

 スポーツ専門紙の老舗である「Number」のウェブ版。ウェブオリジナルの記事もあり、なにより老舗の安心感があります。ちなみに「Number」本誌の方も僕は毎号購入しております。

 Web Sportiva

 こちらは競合誌「Sportiva」のウェブ版。ちなみにこちらは本誌は購入しておりません。どちらかというと「Number」よりは俗っぽいような印象。

 蹴閑ガゼッタ

 サッカーのいろんな試合評を丁寧にしていらっしゃるブログ。見られなかった試合の日本人の活躍具合はどうだったろうかと頻繁にのぞいております。

 湯浅健二のサッカーホームページ

 こちらはプロコーチの視点によるサッカー戦術のぶつかり合いを解説してくれるコラム。「へー」とか「ほー」とか言いながら読んでいます。Jリーグや代表選などいい試合をテレビで見た後はこちらをチェックします。

 とりあえずよく見るページを挙げましたが、あとはときどき金子達人さんやセルジオ越後さんのコラムなどいろいろ勉強させていただいております。今年はSF(サイエンス・フィクション)のみでなく、スポーツのSF(サッカー・フットボール)もたくさん見れたらいいなぁ。

SF読もうぜ(345) 森博嗣『スカイ・クロラ』

僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。

SF読もうぜ(344) 筒井康隆「東海道戦争」

気が付けば、2014年が明けました。本年もよろしくお願いいたします。今年も好きなSFについて、独り言のように語っていきたいと思っております。

 筒井康隆の出世作。「SFマガジン」1965年7月号発表。中公文庫『東海道戦争』などに収録。

 SF作家である「おれ」がある朝目覚めると日本は戦争状態にあった。いったい、どことどこが戦争しているのか?
 疑念を抱きつつ、大阪のテレビ局へ向かった「おれ」。道々わかりつつあったこと。それは今日本が内戦状態にあること。東京と大阪の戦争が始まったのだ。

SF読もうぜ(343) ジョナサン・スイフト作・原民喜訳「ガリバー旅行記」

小人たちに捕えられる巷間によく伝わる小人国から、巨人国、ラピュータ、日本、人間より徳の高い馬の国フウイヌムまで、ガリバーの語る不思議な旅の数々。

SF読もうぜ(342) 大原まり子「有楽町のカフェーで」「薄幸の町で」

『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』(ハヤカワ文庫JA)収録。

有楽町のバーバリという喫茶店で「ぼく」はサヨコを待っている。(「有楽町のカフェーで」)



SF読もうぜ(341) 眉村卓「通りすぎた奴」

『日本SF全集』第1巻 『'73日本SFベスト集成』等に収録。

四百二十三階と四百二十四階で初めて出会った男は変わった男だった。一年ほど後に九千五百階で再会したとき、彼は客死しそうになっていた。彼を助けた「ぼく」は、彼の話を聞いて驚いた。このエレベータの発達した世界で、なんと彼は二万五千百三十階の最頂部まで、徒歩で歩き通そうとしているのだ。「ぼく」は彼を「旅人」と呼ぶことにした。


SF読もうぜ(340) 山田正紀『神狩り』

情報工学の天才、島津圭助は花崗岩石室に刻まれた謎の“古代文字”を調査中に落盤事故にあう。古代文字の解明に没頭した圭助は、それが人間には理解不能な構造を持つことをつきとめた。この言語を操るもの――それは神なのか。では、その意志とは?やがて、人間の営為を覆う神の悪意に気づいた圭助は、人類の未来をかけた壮大な戦いの渦にまきこまれてゆくのだった。

SF読もうぜ(339) ◎大原まり子「アルザスの天使猫」

日本SF作家クラブ編『日本SF短編50Ⅱ 1973-1982』収録。

 サーカスの興行師ガードゥスを、訪ねてきた男三人。シノハラ・コンツェルンの能力者たちは、ガードゥスを痛めつけ、天使猫スノウ・マンの行方を知った。特殊な能力とやさしい心の持ち主、スノウ・マンは子どもたちの人気者だったが、ある事件を境にサーカスを去った。スノウ・マンはどこへ行き、そして男たちはなにを狙っているのか・・・・・・?

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