SFには「バカSF」というジャンルが存在します。大原まり子・岬兄悟編『SFバカ本』などを読めばだいたいどういうものかわかると思います。「
原始SFはバカ話であった」。
SF作家の御三家といえば、星新一、筒井康隆、そして、小松左京。今日は小松左京氏の短篇の中から一つ紹介したいと思います。その題は『
四次元オ コ』。
小松左京といえば、まず、思い浮かぶのが本年映画の公開も予定されている『日本沈没』や『エスパイ』『首都消失』などの長篇です。しかし、短篇だって負けてはいない。『首都消失』の前身である、『物体O』なんかはバカ話の最たるもの(だと私は思う)。かつて、筒井康隆はSFのことを「バカ話を真面目な顔で語るのが面白さ」であるといっていました。「物体O」はそうですが、今日、紹介する『四次元オ コ』は最初から笑わせるのが目的です。全篇落語の語り口です。だから、当然面白い。
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