
ウォーターゲート事件の巻きぞえをくって囚人となったスターバックが回想する、前世紀末の労働争議、サッコ=ヴァンゼッティ事件、世界大戦、赤狩り・・・・・・そして、三年ぶりに刑務所から出た彼が、ニューヨークの想い出のホテルで見出したものは、いったい何だったのか・・・・・・?過去と現在が微妙に交錯し、八十年にわたる人間関係がときにシリアスに、ときにユーモラスに描かれる。アメリカの魅力と悪弊を通して、この物語は一つの強靭なメッセージとなって、読者の心に訴えてくる。現代アメリカ文学の巨匠が、人々への愛と怒りをこめて綴る〈新〉アメリカン・グラフィティ!