2010年、宇宙船アレクセイ・レオーノフ号はいま地球を旅立とうとしていた。10年前に遙か木星系で宇宙飛行士4人が死亡、1人が失踪した事件を調査し、遺棄された宇宙船ディスカバリー号を回収することがその任務だった。果たして真相は究明されるのか?そして、木星軌道にいまも浮かぶ謎の物体モノリスにはどんな奇怪な目的が秘められているのか・・・・・・前作を上回る壮大なスケールで全世界に興奮を巻き起こした傑作長篇!
試験の山を越えました・・・・・・。
試験の息抜きに読んでいましたが、これがもう面白いのです。映画も見たことがあるのだけれど、もう忘れてしまっていて、ボーマンの「亡霊」がテレビに映っているのしか覚えてません。
やはり見所は前述のテレビにボーマンが映ったり、見えない手が櫛を操って髪をすくところ、そして、何といっても宇宙船内の埃が集まっていってボーマンの姿を作り上げるところでしょう。神?と化したボーマンの所作にいちいち感動してしまいました。
それにしても太陽系に第二の太陽を作ってしまうとは!しかも木星に巨大なモノリスがいっぱいわいてきて、それが「日本のクレイジーなドミノ倒し」に例えられてしまうのですから、壮大ですねー。得体の知れないモノリスの所有者のことが、とっても気になります。
「スター・トレック」の転送ビームなるものが登場するのですが、見てないからわからないんだけど、思わずくすりと笑ってしまいました。アメリカ人にとっては、「スター・トレック」ってやっぱり一番ネタにしやすいぐらいポピュラーなんでしょうかねえ。ティプトリーの「ビームしておくれ、ふるさとへ」のビームもこの転送ビームなんでしょうか。
クラークの作品は科学的な事実を、できるだけ丁寧に書くところが素晴らしいところだとは思うのですが、いかんせん科学に弱いので(生物には強いのですが天体はどうも・・・・・・)、物語のリアリティを強める程度にしか僕にはわからないことがすごく残念です。勉強しなおそうと反省しました。
エピローグが「二〇〇〇一年」であるのも、すごーくいいです。『2001年宇宙の旅』とは、少しパラレルワールド的なところがあって、違うところもあるようですが、不満なく楽しめました。今後、物語がどう推移していくのか、楽しみです。
アーサー・C・クラーク作品感想
『幼年期の終り』
『イルカの島』
『海底牧場』
『宇宙のランデブー』
『2001年宇宙の旅』
『2010年宇宙の旅』
『2061年宇宙の旅』
『3001年終局への旅』
『神の鉄槌』
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