時代の息吹を感じる本。
世界SF全集月報から厳選した34篇。こんなこというとアレですが、どうせSFファンしか買わないんだから全部収録してほしかったデス。まあ、でも、全集見れば載っているわけですから、コアなファンは読んでいるのでしょうか。
僕が一番好きなのはやっぱり筒井康隆氏の文章。全集で一度読んでいるのですが、やはり文章の与える効果を知っているというか、最後の繰り返すところが、じーんときます。人称の選び方なんかも、SF「幼年期」を感じさせる「ぼく」という呼称であるのがさらに感動的。
「今がぼくの時代でなくて何であろう。
ぼくの時代なのだ。」
それから、谷川俊太郎の「悟りとS・F」の関係性の文章もすてきです。「S・F」とくぎっちゃうところに時代性を感じますねえ。野田氏らコレクターたちの涙ぐましい努力や初めてSFに出会ったときの衝撃など、「ああ、わかるわかる」と大きくうなずいてしまうシーンも多々あり、SFファンにとっては嬉しい本です。
SFがまだ怪物性を保っていた時代に、どう転んでいくのかその可能性にいい意味でも悪い意味でも慄いていた時代の、ジャンル自体の「青春」を感じました。きちんと本体である『SF全集』、それから月報も読みたいので、今度図書館で借りてみようと思います。
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