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ロボット大乱舞!空想力あふれる絵の宝庫・アメリカSF雑誌の黄金時代を網羅する有名な「野田コレクション」を総動員し、神話の人造人間から最新のロボット技術までを視野に、人類の夢の産物「ロボット」の全貌を探る!本邦初公開資料を満載!(帯より)
河出書房新社のビジュアルブックの一冊。
SF雑誌のコレクターとして著名な野田昌宏氏が著者です。
ページを開けばロボットと美女。メカと美女は男のロマンです。
章構成は
序章 ロボットに託した人類の夢
第1章 ロボットSFの誕生
第2章 花開くパルプSFの時代
第3章 ロボットとアンドロイド
第4章 ロボット三原則の成立
第5章 戦後SF雑誌を飾ったロボットたち
となっており、ビジュアル、小説の中でのロボットSFの歴史、両面のわかりやすい解説書となっております。
僕のお気に入りは今にも阿波踊りでも踊りだしそうなレオ・モーリーの触手付きロボット。メル・ハンターの〈F&SF〉誌の表紙の〈「最後の男」の冒険〉シリーズ(人類破滅後に暇つぶしにいそしむ(?)ロボットの様子を描いたもの)。著名な絵師エムシュウィラーの作品の数々。こてこてのアメリカン調のアール・K・バーギーの表紙絵。パラパラめくるだけで楽しい。
「アスタウンディング」誌の表紙のロボットにふと目が留まり、「どっかで見たことあるなあ」と思って考えてみると、「ああ!こりゃクイーンの『世界に捧ぐ』のジャケットじゃん!」と思いウィキペディアで見ると、ドラムのロジャー・テイラーがSFファンだったため採用されたのだということ。なんとトム・ゴドウィンの小説のために描かれたと書いてござる。「冷たい方程式」ではないことはたしかだ。
さて、冒頭、野田さんは福岡の六本松停留所の前にあった閃発書房の話をしておられる。そこで「アスタウンディング」誌に出会ったことが、野田さんのSFコレクターとしての始まりだったそうだ。福岡に住む僕も三和書房と名の変わったその古書店で買い物をした覚えがある。棚に平積みになっている文庫本の山を丹念にねめまわし、当時絶版になっていた大原まり子の「青海豹の魔法の日曜日」を見つけて、喜び勇んで100円でそれを購入したのだ。あの今にも倒壊してしまいそうな古書店ももうそこには存在しない。毎朝、通勤のためにそこを通るが知らぬまになくなってしまった。僕が知ってるだけでも、周辺には二店舗古書店があったが、二つとも失くなってしまった(そのうちの一店舗のおじさんからは「もう処分するから持ってきな」と横溝正史の本を数冊ただでもらった)。世の中の無常を感じるこの頃なのです。
このシリーズにはあと「エイリアン」と「ロボット」の二冊があり、今から読むのがとても楽しみです。
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