万城目学を筆頭に、人気作家陣・学者たちが根強い人気の宮崎駿作品の魅力を読み解く。アニメーター達の貴重な当時の証言も多数収録。(文春ジブリ文庫 紹介文より)
「紅の豚」はすてきな映画です。
なにより真似したくなる素敵なセリフの数々。
渋い声で言いたくなりますね。「飛ばねえ豚はただの豚だ」
好きな作家である万城目学が公開初日に見に行って、そのまま二度繰り返し見たというエピソードを紹介していますが、ふんふんとうなずきながら読みました。宮崎駿の映画は見終わった後、なにかただならぬ気持ちに襲われるんです。
さて、「マルコの魔法は解けたのか?」というのが、この映画を見た友人たちとは常に議論になるものです。僕は宮崎監督が、『もののけ姫』(映画のほうではなくて、その原案となったもの)を引き合いに出して、
もののけが人間にならなかったら愛せないとしたら、このお姫様は駄目なんだ。
と述べていらっしゃるのを見て、モヤモヤとしていた気分がすっきりしました。これを読んだら、魔法が解けたかとかそのままかとか、どうでもよくなりました。
ほかにも「さくらんぼの実る頃」の背景であるとか、作品の創られた背景、作品の持つ構造(大塚英志の文章は読みごたえあり!)など、大好きな作品がさまざまな観点で語られていて、好きな人にはたまりません。
「ファシストになるより豚の方がマシさ」
ちょっと膨れてきた自らのお腹をみて最近よく呟いています。
読み終えた後でほんのちょっと、ポルコ・ロッソに近づけた気がしました。
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