宮崎駿監督が構想16年、制作に3年をかけた超大作『もののけ姫』。1997年に公開されると日本映画の興行記録を塗り替え、「ジブリ映画を観に行く」という行為が娯楽として市民権を得る記念碑的な作品となった。生物学者の福岡伸一を筆頭に、中世日本の歴史に深い関心を抱いてきた宮崎監督ならではの重厚な世界観を読み解く。(文春文庫:紹介文より)
劇場で見たのは中学二年生の時だった。巨大な何かが自分にぶつかってきて受け止められないという感じの衝撃。それが当時の印象だ。
だから、背景に織り込まれたものを解きほぐしていくために、監督の言葉を求め、網野善彦を読み、小松和彦を読んだ。作品制作の過程に興味がわき、「もののけ姫はこうして生まれた」やら「アニメーションの色職人」等も読んだ。とにかく知識欲を刺激する映画。物語の背景にこんなに興味がわく映画は初めてだった。知識を得るに従い、少しでも映画に近づけることが嬉しかった。
1997年の夏。あの「もののけ現象」にとらわれた一人としてどのような仕掛けに自分が取り込まれていったかを自己分析できてよかった。僕は「もののけ姫 in USA」も観に行ったから。
ジブリ作品で一番観返しているいる作品。物語も背景も重層的で解決していないからこそ、それが可能なのだと思う。この本を読んでみて、まだまだ楽しめるな、と思った。
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