東洋プロレス社長・グレート巽の発言を機に格闘技界が動き始めた。辞表を出し、北辰館に乗り込んだプロレスラー・長田弘は松尾象山主催のトーナメント出場を宣言する。丹波文七と北辰館の堤城平は松本市の河野道場にいた。そこに木島工業の筋者がやってくる。圧巻の梶原vs長田戦!シリーズ第3弾。
いきなり長田が北辰館の道場へ乗り込んできた。
燃えないわけがない。
そして、その相手は文七の弟子、久保涼二のライバル成川。
燃えないわけがないではないか。
この「燃えないわけがない。」が読んでる間、始終続くのだ。
面白くないわけがないではないか。
また、魅力的な人物の登場。堤城平。身長が低く、闘う理由が見つからないと動かない。その格闘者としての異質さ。身長の低い僕には、感情移入できるキャラクターである。さらに、今度はこの堤が関わったトラブルに文七や涼二も巻き込まれ、さらにはそれが松尾象山のぶち上げるトーナメントへと繋がっていきそうな感じがする。誰が真の最強かを決めるトーナメントへ。
しかし、この巻の最大のイベントはなんといっても、長田対梶原の「セメント」なのである。
二人の長年の重いが、互いに背負ってきた格闘人生が音をたてて、軋み合う。肉体と肉体の会話。関節技を通して、二人は互いの気持をぶっつけあっている。目にも鮮やかな漢字一文字の羅列。クライマックスに向けて疾駆する文字を追う僕の目。
ところが。しかし。やはり、そこで物語はぶったぎられてしまうのだ。他のレスラーの乱入。
「ひどいじゃないスか」と叫んだのは長田同様僕も同じだ。
そして、唐突に行われる「転章」での藤巻と松尾象山の格闘。
七秒の間に果たして何が起こったのか・・・・・・。物語はまだまだ走り続け、止まる気配を見せない。
早く次を読むぜい。
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