九州出身の漫画家を紹介したもの。配列は五十音順。本書は「金曜パック」のなかの「山猫倶楽部」で、1998年4月3日から1999年9月24日まで計73回連載したものをまとめたもの。
良書です。
漫画家本人に取材し、コメントを得ているので、漫画家の肉声を聞くことができた気がします。たぶん、西日本新聞本誌に載ってたのを読んでたような記憶があります。
そもそも九州人は(福岡の人だけかもしれませんが)、
地元愛が強いのです。
だから、このような本が出るのでしょう。福岡の地に住みながらマンガを描いている人も多いですね。2000年1月発行の本ですから、少し情報は古いですが、たいへん面白い。
九州に住んでいる人は、知っている高校の名前や大学の名前などが出てくるので、身近で楽しいでしょう。僕も高校の大先輩にあたる人を二人見つけたので、そういう楽しみ方もできます。
僕の大好きなマンガ家で掲載されている人は、
井上雄彦、
うすた京介、
川原泉、
永松潔、
萩尾望都、
北条司、
松本零士です。
地方色の強いマンガを描いている人の記事などは、やはり面白いですね。
福岡を舞台にしているうえやまとちの「クッキング・パパ」、沖縄のチームが大暴れするなかいま強の「わたるがぴゅん!」の記事などは興味深く読みました。
尾田栄一郎の記事が載っているのを見ると、「ONE PIECE」って長い連載だなあと思います。
ところで、九州出身の漫画家に焦点を当てているはずのこの本ですが、一人だけ「おや?」と思う方がいます。
星野之伸です。
北海道帯広市生まれ。一時、横浜市に住む。愛知県の大学へ。漫画家となり東京に住むが、札幌市でペンを取っている・・・。作品は九州が舞台ですが、著者の経歴には九州は関係なし。
これは、記事を書いた星野之伸ファンが、企画にかこつけて好きなマンガ家と直接コンタクトを取る機会に使ったに違いないと僕はにらんでいるのですがどうでしょう?編集した人のプロフィールの中に、好きなマンガ家を「星野之伸」としている人もいますし・・・。
今、この本を出すとしたら、諌山創や吾峠呼世晴の名前が入ってくるのでしょうねえ。
地方の出版物ですが、すごくいい本ですので、読んだことのない方はぜひ!
PR