時は21世紀――合法的な殺人ゲームが世界各国で行われて人気を呼んでいた。ゲームには、人種、国籍を問わず誰でも自由に参加できた。競争者は、追跡者として五回、逃亡者として五回、合わせて十回勝たなければならない――十人の人間を殺して、はじめて真の勝利者となるのだった。そして勝利者には、無限といっていいほどの社会的、経済的、政治的な権利が与えられる・・・・・・。この殺人ゲームがはじまって以来、21世紀の世界には、大きな戦争はなくなっていた。それが闘争本能にとって代替行為となったからである。
うら若き美貌の女キャロライン・メレディスは、九人めを殺害することに首尾よく成功した。追跡者の中国人が彼女を射ち損なった瞬間、豊かな乳房をおおったブラジャーに仕込んだ銃が火を吐き、追跡者を一瞬のうちに射止めたのだった。残るはあと一人。相手はすでに三回の勝負をものにしている強敵、ポルレッティと名乗る美男のイタリア人だった。彼こそは十人めの標的――彼女は勇躍ローマに飛んだ!(背表紙より)
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