鮫島葵、38歳。バリバリの中年親父。でも見た目は、犯罪級の愛らしさ。そんな父親を持つ息子・哲夫の苦悩と苦悶の日々を描き大反響を巻き起こした伝説の人気作(問題作?)が、ついに単行本化!!その他、傑作読切3本も同時収録!!ファン待望&必見の初短篇集。ここに誕生!!
世に数々の性的倒錯は存在せども、さすがに皆遠く思い及ばなかった事項がある。チチ萌え・・・・・・。「乳萌え」ではありません、「
父萌え」です。右手が恋人を実践し、パーツに対するフェティシズムを示した変態漫画家井上和郎が開拓したのは、
実の父親に萌えるという誰にも考えつけない新たな世界でした。
女子中学生にしか見えないその風貌。なにもないところでけっつまずくそのドジッ子ぶり。ささいなことで号泣するその泣き虫ぶり。そんな親父の姿に息子は心ときめいてしまいます。女子の体操着を着て電信柱にオデコをぶつける親父を見ては萌え、抱きつかれれば「
いいニオイ」と思い、苦悩する・・・・・・。
変態ぶりは止らず、38歳親父に萌える男たちは道場に集結し、息子の哲夫と死闘を繰り広げ、親父の再婚相手が現われたと思ったら
女装趣味の男性だったり、井上ワールド全開です。
「葵DESTRUCTION!」は井上先生の作風の転換となった作品のようで、読者からいただいたお手紙に「このまんがを読んで、
自分の中で何かが壊れました」と書いてあったことに触れ、「時間をおいてこのまんがを考えてみると、葵に一番壊されたのは僕の中の「少年まんが」に対する既成概念だったように思います。」と述べておられます。そして、それが右手が恋人という異色の漫画『美鳥の日々』に続いていったのでしょう。初期作品の「古書店夜光奮戦記」と比べてみると、それはよくわかります。
「フルスクラッチ・エイジ」はガレージキットをめぐる恋愛もの、そして「音禰のないしょ」は「
女が持つとカッチカチにカタくなるエロ刀を持つ、ナイスバディの女剣士が主人公」の漫画。女の裸を見ては
大きく反り返り硬くなる喋る刀という冬目景の漫画を変態化したようなお話。変態ですなー。
井上や浜の真砂は尽きるとも世に変態の種はつきまじ(たとえものすごい数とされている浜の真砂がつきようとも、井上先生が活躍される限り、変態のバリエーションは新しく生みだされ続けるだろうの意。うーん、ちょっと苦しいか・・・・・・)
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