◎
『そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた』
新聞記者に語る宇宙船搭乗員の体験談。
お、面白い。そんなに宇宙人って魅力的なのか。セックス以上の快楽ってなんだろう?
○
『雪はとけた、雪は消えた』
腕のない女と狼が、山を行く。女は途中で集落を発見し・・・・・・。
しかし、裸の人間がやたらに登場するなあ。狼の献身が可愛らしくていいですねえ。でも、腋毛の描写はなんだかげんなりするなあ。
△
『ヴィヴィアンの安息』
マッカーシー星に取材に来た記者に語られるヴィヴィアンの悲しい話。
うーん。他のもそうだけど、話の構成がさっぱりわからない。そこが魅力なんでしょうか?
○
『愛しのママよ帰れ』
カペラ星から来た宇宙人は人間の女性を巨大化したような美人のアマゾネスたちだった。
こえー。怖いです。男性にしてみれば、恐怖の物語です。しかし、セックス、セックス、セックスのオンパレードですねえ、この人は。
◎
『ピューパはなんでも知っている』
今度はシグナス人たちがやってきた。彼らは宗教団体の一派らしく、美しい賛美歌を歌い一躍人気者になるが・・・・・・。
面白いっすわー。地球上の歴史に重ねて考えるところが説得力あっていいですねえ。世界中の宗教の聖場が破壊されるところに不謹慎ながら、笑ってしまった。
○
『苦痛志向』
苦痛の回路をどこかに接続された男。彼はそれから苦痛を感じなくなった。彼は地球への帰還を夢見るが・・・・・・。
うーん、正直意味がわからん。地球に苦痛が接続されている?どういうことだろう?しかし、まあ、面白いっちゃ面白いです。
◎
『われらなりに、テラよ、奉じるのはきみだけ』
百万惑星の動物たちがその速さを競うレース・ワールド。そこで不正を見張るピーター・クリスマスの多忙な生活。
恐竜たちのレースの様子の壮観さや、地球を失ったその子孫の悲しみなど、スピーディーに流れていく物語の中に、雑多に詰め込まれた見せ場がいい。裸の処女戦士が繰り返し出てくるところが笑えます。
◎
『ドアたちがあいさつする男』
あるバーで「ぼく」が出会った男。そいつには、ドアが挨拶をし、そいつのポケットには女の子の下宿人がいるのだ。
こういう話は好きだなあ。特に、ポケットの中に下宿人がいるっていうイメージが好きです。ちらちらと登場する下宿人のチラリズムもいい。
△
『故郷へ歩いた男』
ある日、世界は崩壊した。その崩壊の中心点にいた男・・・・・・。やがて、そのクレーターにも人はやってきて、突如轟音と共に現れる男の姿を見ることになる。
面白くなくはないのですが、自分には理解が及ばなかった・・・・・・。どういうことだったのだろう?
○
『ハドソン・ベイ毛布よ永遠に』
ある日、ダヴ・ラペールに見知らぬ女の子から電話がかかってくる。ある山小屋に出かけた彼は、ヘリに追われる素っ裸の女の子と出会うことになる。女の子はあの電話の声の主だった。
時間ものです。しみじみしたラスト。しかし、ここでも素っ裸の女ですか!こだわるなあ。それとも無意識に出てきちゃうのか?
◎
『スイミング・プールが干上がるまで待ってるぜ』
母親に宇宙船を買ってもらったキャマリングは、宇宙への旅に出た。ゴドルファス4に降りたった彼は、原住民達の戦争の現場に遭遇する。
面白い。のびのび育った若者の、のびのびとした言動、振る舞いがいかにもでいい。残虐行為をこういった思想で行うと、ユーモアに変わってしまって、笑えました。ラストの決めもいいですね。
△
『大きいけれども遊び好き』
すみません。あらすじ説明できません。
わ、わからん。理解不能。
○
『セールスマンの誕生』
異星文化形態避険局のベネディクトの多忙な一日。
面白いですねえ。宇宙へ品物を出荷するためにはこんな困難も考慮しなくてはいけないのか。歌が危険になるっていうのが、特に印象に残りました。
△
『マザー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド』
宇宙空間安全調査員のゴレムは、ある秘密を抱えていた。それは古い宇宙船と、その中に住む一人の老婆のこと・・・・・・。
うーん、話の全体像があまり見えなかったので・・・・・・。状況説明とか、背景説明とかあんまりしてくれないのが辛い。
☆
『ビームしておくれ、ふるさとへ』
ホービーはとらえどころのない青年だった。彼は空軍に入り、宇宙飛行士になる一歩手前まできていた。しかし、宇宙計画は延期になり、彼は戦争の前線へ借り出されることになる。
いいです!たぶん、SF好きの方は誰しもホービーのような気持を抱いているのではないでしょうか。僕はスタートレックは見たことないんですが、見てみたいような気持になりました。ホービーも僕たちも、現実からあまりにも遠くを見すぎているのかもしれません。星空を見やって、今日も嘆息。
総評:うーん、玉石混交って感じですが。とにかく、描写に粘りがないような。文章があちこち跳んでってしまう印象があります。ある一点は印象には残るが、全体像がつかめない作品が多いという印象です。『ビームしておくれ~』は素晴らしかったです。しかし、この人、いろんな意味で狂ってますねー。
PR
COMMENT