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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(66) テリー・ビッスン『ふたりジャネット』

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テリー・ビッスンの短編集。


『熊が火を発見する』

 タイヤのバーストで止まった場所で、主人公一行はクマが松明を持っているのを発見する。

 不思議な味の短篇。車座になって、焚火の周りであたたまっているクマを想像すると、なんだか愉快。

『アンを押してください』

 おかしなATMの機械をめぐる会話劇。

 面白い。作者の技巧のうまさを感じます。

『未来からきたふたり組』

 画廊の警備員をしているテレサ・アルガリン・ロサドの目の前に突如現れたふたり組は未来から来たと発言する。

 うーん、結局、歴史の改変は最初から込みだったってことなんでしょうか?すみません、『アイ・ラブ・ルーシー』は見たことがありません。ちなみに、『スター・トレック』もありません。

『英国航行中』

 英国は少しずつ動き出し、アメリカ大陸に向かい始めた。

 イギリス版『日本漂流』といったところ。残念なのは、社会的な情勢が少ししか描かれていないところかな。ビッスンの小説は個人的なことに終始しているので、もう少し背景や社会を描いてくれると好きになれるかもしれないんだけど。

『ふたりジャネット』

 故郷を出てニューヨークで暮らしているジャネット。昼休みに古本屋で本を物色していた彼女は鳴りっぱなしの公衆電話を取る。相手は故郷の母親からだった。

 トーマス・M・ディッシュの名前が出てきたところで吹いてしまった。全体的に名前は聞いたことあるけど、読んだことない作家だらけなので、自分の知識の薄弱さを嘆きました。公衆電話でどこにいても電話がかかってくるのが素敵な出だしだなあ。

『冥界飛行士』

 盲目の画家である主人公はデカンダイル博士に協力を申し入れられる。彼は臨死の場で人が見る世界の研究をしているという。

 生死の境で人が見るのはどのようなものか?という短篇。光の中を飛び回るとか、肉体の境を越えて接触できるとか、サイバーパンクのネット世界みたいで面白い。肉体が生と死の間であるというのもスリル感があっていい。

『穴の中の穴』

 万能中国人ウィルスン・ウーシリーズ。ヴォルヴォの部品を見つけるために行った廃車置場がとんでもないところにつながっているのを「おれ」とウーは発見する。

 楽しい。日常から一気に異世界へとぶっとんでいくところがいいです。しかし、そんなに車の修理が好きなのかと突っ込みの一つも入れたくなるなあ。

『宇宙のはずれ』

 「おれ」のもとにウィルスン・ウーから電話がかかってくる。宇宙が膨張をやめ、収縮し始めたそうだ。しかし、全体的に影響はないはずで、その影響がでるのは「宇宙のはずれ」だけだというのだが・・・・・・。

 だれもがウィルスン・ウーのような友人を持つべきだ。その通り。こんな友人がいれば楽しいだろうなあ。

『時間どおりに教会へ』

 ハネムーンでニューヨークへやってきた「おれ」とキャンディ。おかしなことに飛行機は時間通りに着くし、バスにも簡単に乗ることができた。すると、突然、ウィルスン・ウーから電話がかかってきて、それは時間的変則が起こっているせいだというのだ。

 ニューヨークの観光中にいたるとこでウィルスン・ウーからの電話を取るというのが面白い。いいシチュエーションだ。ウーのやっている仕事も昆虫をはばたかせてアメリカのハリケーンの速度を遅らせるって?バタフライ効果の例えを地でいくこの仕事もバカだけど面白い。

 総評:ポップ!おいしいお菓子を食べ終わったような読了感。ただ、少し食い足りないような気も。内容的に主人公とその周辺ぐらいにしか描写が及ばず、現象の社会的な影響なんかが描かれないような印象を受ける。どれも「読んだあ!」という満腹感がなくて残念。
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