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SF読もうぜ(324) ポール・アンダースン『タイム・パトロール』

9c40ecf5.jpeg 西暦19352年、瞬間移動の研究に関連して、ついに時間航行の方法が発見された。だが、これは人類にとり諸刃の剣だった。過去を知り未来を知ることが可能になったことで、人類は飛躍的な発展をとげた。その一方で、過去に干渉して未来を変えようとする、いわゆる時間犯罪が多発したのだ!かくて時間管理局――タイム・パトロールが設立された。時の航路を監視し、歴史を正しい軌道に保つために・・・・・・時間テーマSFの傑作

 時間管理局に就職した主人公を中心とする四つの連作短編集。
 歴史改変に目を鋭くとがらせ、時間をさかのぼり犯罪者を罰するタイム・パトロールのお仕事が描かれています。

 冒頭は時間管理局への就職のための面接から始まるという地味な始まりながらも、次第にすっ飛ばして大規模な歴史改変を阻むラストは壮観です。
 いずれも歴史の改変を止めるために奮闘する主人公エヴァラードの活躍を描いており、いちおう高校でも世界史をとっていた身としては興味津々です。その内容はざっと以下のよう。

 第一話 タイム・パトロール・・・19世紀ロンドンの古墳の中より放射性物質を強く放出するオーパーツが発見さる。はたしてこれは誰が?

 第二話 王者たるの勇気・・・タイム・パトロール員の一人キースが紀元前のイランで行方不明に。彼は果たしてどこへ消えたのか?

 第三話 邪悪なゲーム・・・アメリカ大陸を発見したのはコロンブスではなくて、中国人だった?彼らを追い返すためにエヴァラードたちは13世紀に跳ぶが・・・・・・。

 第四話 滅ぼさるべきもの・・・ガールハントのために二万年前の欧州から現代のニューヨークへ帰ってきたエヴァラードとサラワク。ところがそこにはニューヨークとは別物の世界が広がっていた・・・。

 僕のイメージしていたタイム・パトロールは、藤子・F・不二雄の漫画に登場する、もういい加減事件が解決した後で、おっとり刀で犯人を連れていくだけの制服の男たちの姿なのですが、本書に登場する人物たちは現地に溶け込もうと現地人の格好をし、睡眠学習で言語を覚え、郷に行っては郷に従えとばかりに順応する、どちらかといえばスパイに近いイメージの人々です。「時の守護者」という格好いい名前の割には、仕事は地味かつ命懸けかつハード。少なくとも僕には適性がなさそうな職業。お仕事小説なだけに、仕事にも悩みます。遥か未来の人類が進化した存在であるデイネリア人の指令はわけがわからないし、現場の人間には細かな規則がつきまとうし、歴史を元の線に戻そうとすれば幾人ともしれない人間の存在をなかったことにしなくてはならないし・・・・・・。大きな力をもってしまったがために思い悩むという場面には、アメコミのヒーローのような悲哀があります。そういったところが、職業人として共感もあり、おもしろかったです。

 同シリーズに長編もあるようなので(『時間線の迷路』)いずれ読んでみたいと思います。
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