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SF読もうぜ(322) 野田昌宏『図説ロケット 野田SFコレクション』

58126493.jpeg 飛べ!ロケット

 星の海を宇宙船が駆け美女が舞う!アメリカSF雑誌の黄金時代を網羅した「野田コレクション」を大量に紹介し、NASAを始め現実の宇宙開発の資料を縦横に駆使して、「ロケット」の夢の航跡を追う!超貴重図版を満載!!

 という帯文は多少大仰な感じを受けはするのですが、パルプマガジンを中心に人類の抱いてきた夢の(そして、現実の)ロケットがたくさん掲載された楽しい本です。

 その章構成は以下の通り。

  第1章 宇宙ロケット開発史
  第2章 ロケット新時代の到来
  第3章 宇宙には美女がよく似合う
  第4章 現実に追いつかれた宇宙船
  第5章 宇宙船の考古学

実際に宇宙へ飛び出す前の夢の宇宙船たち。ロケットというと流線型のイメージのものが多いですが、目に麗しいのはやはり、円盤型や球形、飛行船型、涙滴型(コメット号)の宇宙船だったりします。人々も月でジャンプ遊びをする時には宇宙服ではなく、飛行機の延長線上に考え方があるらしく、飛行ジャケットに日傘のようなものをさして、優雅に月の表面をジャンプしている女性の姿があったりしてレトロ趣味の僕には実に楽しいのです(鶴田謙二の「The Spirit Of Wonder」の表紙を連想しました)。

 ロケットだけではなく、宇宙空間でのなぜか薄着の女性たちもフィーチャーされ、目にうれしいかぎり。厳しい宇宙空間の中で水着や裸に近い女性たちが満面の笑顔でいたり、恐怖で顔を歪めていたりします。ご婦人の中には惑星の荒涼とした大地の上をハイヒールで歩いているお方や鋼鉄のブラをしておられるお方もおられて、なにか感じ入ってしまうものがあります。

 後半は実際に人類が宇宙へ行く直前、あるいは行ってからのものが並びますが、なんといってもチェズリー・ボーンステルの絵が一歩抜きんでている!しかし、メル・ハンターもなかなかよいし、エド・エムシュウィラーには遊び心がたくさんあって、絵の背景にある事情を推測する楽しみもあります。

 最近、BBCのドキュメントで民間の宇宙開発会社の特集を見ましたが、宇宙旅行が現実のものとなった時代に僕らはもう立っています。これから、どんなロケットが開発されるのか楽しみです。そして、僕らが描き出す「夢」の宇宙船、現実のもう一歩も二歩も向こう側へ行くロケットたちが、どのように描かれるかまだワクワクしています。反重力、ゼロポイントエネルギー、それがエーテルでもいい。新たな推進力の宇宙船はどういう格好で僕たちを魅力してくれるのだろう。

 温故知新。昔を読みながら、未来へ思いをはせる。そんな本でした。
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