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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(176) 『S‐Fマガジン』1964年10月号

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1964年10月号


草下英明『SF宇宙生物学講座 宇宙は生命に満ちている』

 パンスパーミイ説の紹介。

マーク・クリフトン『希望の星』

 スターはまだ三つだった。だが、誰にも教えられずに『メビウスの輪』の秘密を解きあかすことのできる三つの幼女がいるだろうか?

 最初はただの高知能児の話かと思いきや、SF的要素を次々に詰め込んだスーパー幼児の話になっていき、おおーと思いました。ラストもなかなかよい。

ジョン・ウインダム『うすのろ』

 薄のろで醜い火星女が腹の中で何を考えているのか、その鈍い表情からはぜんぜん読み取れなかった。読みとれていたら!

 うーん、DVはだめだよねー。一気に萎えました。ただ、虐待が性的な方面にいかないのが、ウインダムのモラル感です。長篇にあるような雰囲気がないのがさびしいなー。ラストはさすがだなーと思うんですが。

リチャード・マティスン『受胎告知』

 もしあなたが愛する妻を置いて長い旅に出て、帰宅したとたんに妊娠一ヶ月であることを打ちあけられたら?そして妻が、ぜったいに不貞の覚えはないと言いはったら?それでもあなたは妻を信じきれるだろうか。それとも・・・・・・?

 恐怖ですねえ。不愉快ですが、面白い作品です。ただ、登場人物の行動がヒステリックでついていけない部分があったかなあ。同じようなテーマに『呪われた村』がありますが、向こうのほうがスケール的に大きくて面白いかな。しかし、こわいですねえ。

伊藤典夫『マガジン走査線』

 『ギャラクシイ』の紹介。伊藤さん、ヒューゴー賞のノミネート作品に不満のようです。ヴォネガットの『猫のゆりかご』が本命だと書いてありますが、実際には『中継ステーション』でした。

さいえんす・とぴっくす

 オートメ・サングラス開発(米)光によって、濃度が変るサングラス。これは、今ありそうですねえ。

アーサー・C・クラーク『木星第五衛星』

 だれにも顧みられぬちっぽけな木星第五衛星こそ、フォースター教授の大胆なX文明仮説を裏づける決定的証拠だった!

 この短篇は昨年読んでいるのですが、細部まで思い出すことのできる印象の強い作品です。最初の衛星の正体判明といい、途中の文化財の発見といい、オチのつけかたといい、楽しめる作品です。

ゼナ・ヘンダースン『アララテ山』

 クーガー峡谷に部落をつくって住む同胞(ピープル)たちは、村の外から来る教師を迎えた。子供たちのリーダーである主人公は彼女らの秘密が、教師にばれないように気を揉むのだったが・・・・・・。

 心温まるお話です。『二十四の瞳』超能力版?徐々に露わになる秘密の小出し具合がいい。すてきなSFファンタジイ。

スタニスラフ・レム『ソラリスの陽のもとに』

 単行本で読みたいのでとばしました。

 総評:ベストは『アララテ山』でしょうかねえ。好きな作品です。いい作品が多いですね、マティスンの作品も、良作だとは思います。
 人気カウンター①現実創造②長い旅路③X電車で行こう④思考の香り⑤コモン・タイム 『思考の香り』面白いと思うんだけどなあ。てれぽーとでは「シェクリイはSF作家ではない」なんて意見でてるし。
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