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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(83) 『S-Fマガジン』1962年4月号 異色ファンタジイ特集!

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光瀬龍『二十一世紀の夢 二〇一二年版ガン・カタログ』

 なかなかおもしろいですが、あと六年では無理でしょうねえ。

レイ・ブラッドベリ『ここに虎あれ』

 探検隊一行のたどり着いた惑星は美しかった。その星は、自分を見てくれるものにとって、最高のお化粧をしてみせるのだ・・・・・・。

 星を女性に見立てた面白い作品。自分に好意を持たない人に対しての仕打ちはひどい。残るか、残らないか、その選択は微妙ですが、僕なら残ってしまいそうな気がする。

ヘンリイ・カットナー『今見ちゃいけない』

 ライマンという男は、火星人が人間世界に蔓延し、人間の幸福を彼らの指令で踏みにじっているというのだ・・・・・・。

 緊迫感があって、それなりには読めるのですが、まあ、心がまったく動かない。

フレドリック・ブラウン『ユーディの原理』

 チャーリーの発明したものは、ユーディの原理で動くという。ユーディとはいったい誰?

 うーん。紋中紋は好きなんですが、これは落とし方が微妙かなあ。加速装置の作用や理屈は面白いのだけれど。

アイザック・アシモフ『サリイはわが恋人』

 車の養老院で院長をしている老人「わし」。数ある車の中でも、お気に入りはコンヴァーティブルのサリイ。しかし、その車たちを買い取りたいという人物が現れ・・・・・・。

 なかなか面白い。筒井康隆の『お紺昇天』を思い出しました。これに着想を抱いたのでしょうか?知能を持った車たちがかわいいのだけれど、僕はラストが気に入りません。

ドナルド・A・ウォルハイム『暴風警報』

 気象観測所に勤める主人公は、ある日、落下した隕石を捜しに荒野へ出かける。すると、なぜかその地点に、台風やらなにやらが集まってきて・・・・・・。

 途中の生物たちの描写がよかった。不定形生物が好きなもので。

草下英明『スペース・ファンサイクロペディア⑧反宇宙問答』

 F氏と反宇宙について語り合う。なかなか分かりやすくてよかったです。

斉藤守弘『サイエンス・ノンフィクション[5] 新時代をになうかスーパー生物』

 ナメクジの瞬間移動とか、金の卵を生むガチョウとか、霊感を持つ馬とか、眉唾もののニュースがたくさん。

S・Fらいぶらりい

 ジャック・ウィリアムスンの『龍の島』の紹介。

日下実男『地球物語―地球の生成から消滅まで―(最終回)』

 小惑星爆弾すげえ。反物質爆弾も凄まじい破壊力。

さいえんす・とぴっくす

 「超音速機に積む女性の声」という記事に、現在機械にほとんど女性の声が使われることを連想した。男の声じゃやっぱりダメなんですかね。

スタニスラフ・レム『泰平ヨンの航星日記』

 銀河系内外に轟く泰平ヨンの名声。彼の八十七巻に及ぶ、地図、辞典、及び日記より、一話を紹介。時間を進めたり、ゆっくりできる装置を友人が開発。泰平ヨンはそれをある惑星にもっていき、その効果を確かめることに決める。

 面白い!面白いけど、格調高い!スケールのでかさといい、話の進め方といい、一流です。こういうお話は大好きです。

『未来兵器―殺人光線から反物質爆弾まで―』

 クリーヴ・カートミルが発表したデッドラインという小説のせいで、米軍の情報機関がアウスタンディングに踏み込んだというエピソードが面白い。

カート・ボネガット・ジェニア『バーンハウス効果』

 世界の軍備システムは、たった一人の男のために崩壊した。彼の名前はバーンハウス。世に言うバーンハウス効果の発案者であり、実行者であった・・・・・・。

 ヴォネガットの戦争嫌いがよくでた素晴らしい作品。彼はよく自分は大学生みたいな問題を真剣に考えているから、若い人によく読まれる、といっていたが、この生真面目さがやっぱり彼の魅力だと思う。

エリック・フランク・ラッセル『ガラスの眼』

 その異星の生物は地球が侵略に値する惑星かどうかを調査していた。彼らの一人は生物を盲目状態にする装置を携帯し、街へ向かった。そこで、彼が見たものは・・・・・・。

 なんか微妙。体調があまりよろしくないせいか、感情があまり動かない作品が多い。

小野耕世『ナポレオンの帽子』

 タイムマシン競技に参加したトミタ・トミオ。彼は過去からナポレオンの帽子を取って帰るが、記録がないため、それを承認してもらえない。

 話自体は面白いですが、名前の付け方や、「ザ・ドーナッツ」という双子の登場やらで、軽佻浮薄な感が否めず、損していると思う。劣化状態がひどく、時代を超えられない作品です。しかし、未来へ行くのが禁止なのに、過去を改変しまくっているような気がしますが、いいんでしょうか?

シオドア・スタージョン『めぐりあい』

 互いに一目ぼれした一組の男女。ところが、彼らの関係は次第に壊れていく・・・・・・。

 うん、ファンタジイ。でも、僕の好きな「現実」テーマ。それだけで、◎評価をしてしまうのもなんですが、最後の悲しみが心に染み入ってきたので。

 総評:レムの『泰平ヨン』がとっても面白かった。ハヤカワ文庫は、プレミアムがつきすぎて買えそうもないので、諦めました。復刊してくれないかなあ。図書館に集英社ワールドSFのぶんはあるのですが、シリーズ四冊目だからなあ。できれば、順番に読みたいけど・・・・・・。
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