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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ③『SFマガジン』1960年4月号

1960年4月号


C・L・フォントネイ『荒廃の惑星』

 地球連邦政府上院議員のオスタブルックは今はもううち捨てられた植民地、火星を訪れた。一行は生い茂った植物の合間に白い人影を目撃する。ところが、オスタブルックは谷間に落下し、彼が死んだものと思って宇宙船のクルー達は帰還しようとする。はたして、オスタブルックは生き残ることができるのか。

 宇宙時代の熱狂が醒めた後の植民地星の惨めさというのがよくわかった作品。地球に依存しなきゃ生きていけない植民地星がさびれるのも、反乱を起こすのもわかるような気がします。

R・E・バンクス『電送人間』
 ダーム織物会社の社長レジナルド・グームは従兄弟の持つ委任状を手に入れるために、至急月へといかなくてはならなくなった。そこで、彼は姪の婿の作った電送装置(トラベリージイ)を利用し、月へ到着したのだが、装置が未完成で・・・・・・。

 こういう奇談が大好きなんです!筋肉や内臓は先に送られてしまうけど、骨は二、三週間後に到着する。そのためにぐにゃぐにゃの人間が・・・・・・。瓶詰めの人間がゼリー状にダラーと出てくる描写は視覚的に想像すると楽しいです。

R・A・ハインライン『輪廻の蛇』

 時間もの。通称「私生児の母」という男を語り手「私」は航時局にスカウトすることに決める。「私生児の母」は元々両性具有で、昔は女として育っていた。彼女は一人の男にだまされ、私生児を生むことになる。「私」はその男の正体を教えることを条件に仕事につくことを約束させるのだが・・・・・・。

 込み入ったお話ですが、伏線が回収される度に「そうだったのか!」と感じて面白い。しかし、よくよく考えたらすごい内容の話だ!

ジャック・フィニイ『地下三階』

 時間もの。ニューヨーク、グランド・セントラル駅のあるはずのない地下三階に迷い込んだチャーリイはそこが大戦の始まる前のよき時代だったことを知り、そこでの切符を購入し、妻と共にその時代へ向かおうとするのだが・・・・・・。

 まあ、特にどうといった話とも思えませんが、やはり、あるはずのない地下三階に迷い込むといったシチュエーションがそそります。

岡俊雄『SF映画展望3 ジュール・ヴェルヌの映画』

 ヴェルヌの映画を取り上げてます。

チャン・デーヴィス『エレンへの手紙』

 「僕」と長年の友人であるロイ・ウィスナーは共に同じ研究所で働くことになった。遺伝子を合成して、生物を創り出す。だんだんとその仕事が楽しくなってきたその頃、ウィスナーがある疑惑を持ったがためにおかしくなっていった・・・・・・。

 クローンの道徳性が問われる今、「自然の子」として生れた私たちには悩むことはありませんが、もし、自分がクローンであるとしってしまったクローンだとしたら、そうとう悩むかもしれない。まあ、でも、僕は無神論という宗教を信仰しているので特にクローンのヒトへの適用にはあまり抵抗はありません。

日下実男『地球物語Ⅲ』

 星がどのようにできるかを解説している。

宮之原篤『二十一世紀の夢 奇跡の食糧・クロレラ』

 いやあ、食べてみたいな、クロレラ。でも、最近はあまり聞かないですね。かなり、期待されているように書かれているのですが。

アーサー・C・クラーク『みどりを育てる』

 ソビエトの植物学者が死亡した。ヘルメットが何者かに割られて、窒息死したのだ。犯人の正体は意外なものだった。

 月面上でのリアリティのある生活ぶりに引き込まれます。すでに、このシリーズは読んでいるのですが、何度読んでも感心させられます。

アイザック・アシモフ『氷河時代はもう来ない?』

 アシモフ博士の科学エッセイ。映画『デイ・アフター・トゥモロー』の現象の意味がちょっとだけ理解できてよかった。

ロン・グーラート『ダイアローグ』

 女優の姿をコピーしたロボットと共に火星の荒野に取り残された可哀相な男のお話。

 こういう「コミュニケーションの不毛」ジャンルは好きなので楽しめました。特に作中何度も使われる建前的なロボットの繰言が最高。

J・ローゼンバウム『目的地』

 タイム・マシンが行き着いた先はなんと・・・・・・。

 ショートショート。ちょっと面白い。

リチャード・ウィルスン『無人国道』

 町にも、食堂にも、ガソリンスタンドにも猫の子一匹いない!この世にたったひとり取り残されたのか?それとも・・・・・・

 気が付いたら世界に自分ひとりしかいない。このシチュエーションが大好きだ!『28日後』の冒頭の誰もいないロンドンのシーンとか、最高です。ただ、そのシチュエーションが好きなあまり、ほかが印象に残らない。

フレドリック・ブラウン『狂った星座』

 一九八七年三月のある夜、四六八個の恒星が突如として動きはじめた!

 こういう壮大なハッタリがSFのいいところです。ただ、福島正実さんの訳がどうも僕はなじめない。ところどころ、文語調なのは原文のニュアンスなのでしょうか?とにかく、アイデアは面白かった。

SFらいぶらりい

 ロバート・シェクリイ『不死販売株式会社』の紹介。

さいえんす・とぴっくす

 「オズマ計画」の記事がやはり一番印象的。宇宙人はいつ交信してくれるのかな。『コンタクト』という映画でジョディ・フォスターが空を見上げているシーンをなんだか思い出した。

SF事典(2)

 ハイドロポニック・プラント(水耕栽培法でこしらえた植物)、ベム(big-eyed monster、安易に創られた醜悪な怪物を軽蔑的にこう呼ぶ)、ブラスター(他惑星で土木にもちいる原子力穿鑿機、または原子銃)だそうです。
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