先日、マイケル・ジャクソンがバーレーンで女装しているところをカメラマンに撮られてしまったそうです。
さて、世の中には
女装マンガというジャンルがあります。私は女装をしようと思ったことはありませんが、女装をテーマにした物語は好きです。今日はそんな女装マンガの中から一篇の短篇をレビュウしたいと思います。川原泉の『月夜のドレス』です。単行本では『甲子園の空に笑え!』(花とゆめコミックス)、文庫版では『空の食欲魔人』(白泉社)に収録されている少女漫画です。
秋吉杏子さん(17)はある日、不眠症で眠ることができず、月夜の散歩に繰り出します。そこで彼女はクラス委員で剣道部、硬派の江藤君が
ひらひらのフリルスカートで踊り狂っているのを目撃します。彼女は見て見ぬふりをしてあげますが、翌日、江藤君に失礼なことを言われたので、思わず「
女装趣味の変態よりはましだと思うんだもんね~」と言い返してしまいます。江藤・杏子の二人はそれぞれ自らの内面に問題を抱えていて、それが衣装倒錯・不眠症として、夜毎の逢瀬になるのでした。そんなお話です。
江藤君はなぜ女装に至ったのか、その初期衝動をゆるく語ります。
「
デパートのマネキンさんはいいなあ・・・・・・毎日きれいな服着れて」
「時々俺は考える
ズボンはいた女は正常でなにゆえスカート男は変態なんだろう?」
その答えに、杏子さんはこう答えます。
(答)A:
考えるだけで不気味だからです。
身も蓋もありません。さらに彼女はこんな言葉を投げかけました。
「品のある社会風俗を堅持するためにもズボンは必需品なのね
スネ毛は社会の迷惑です」
なるほど!至言です。でも、スネ毛のでないロングスカートは履いてもいいってことでしょうか?半ズボンもスネ毛は大量にはみ出してますよ?そうであれば
勝俣州和さんなんて社会風俗を乱しまくってますよ?
まあ、そんな屁理屈はどうでもいいのですが、私のアルバイト先のコンビニエンスストアの社員の人によれば、
超ミニのスカートを履いたセーラー服姿のおっさんが時々出没するそうです。私は一度も見たことがありません。見てみたいような、見たくないような。とりあえず、見る機会があれば、スネ毛はチェックしようと思います。
剃っていれば迷惑ではないはずです。
さんざんなことをいってきましたが、普通に読めば普通に感動します。私がひねくれているだけです。川原泉のウィットに富んだ台詞回し、ラストでの詩的な語りは心の奥深くに優しさを届けてくれます。読んだことのない方は、ぜひ、一度手にとってみて下さい。
PR
COMMENT