人体模型製作会社、大阪科学から逃げ出した
生きたリアルタイプ人体模型定吉(80周年なにわスペシャル)は大阪に越してきた阿部リカの家に居候として居つくことになる。リカのパパ、リカ、定吉を中心にした破壊型ドタバタギャグマンガ。
素晴らしく絵がうまく安定しているのに、破天荒、不条理、サブカル的なギャグ。この
ギャップがたまらない。話が面白くなるのは絵とキャラクターの方向性が定まってきた1巻後半から。破壊の美学に満ちたその描写は個人的には『AKIRA』の大友絵を感じさせるほど。
サブを固める脇役には
目玉のおっちゃんや
ニャンコ先生などどこかで聞いたことあるような名前のキャラも。そして、大阪といえばボケと突っ込み。ボケは破天荒な天然ボケキャラリカとパパ。続編で大活躍する星月女学園の突っ込み役の面々はあまり出演しないので、突っ込みは一番ありえないキャラの
生きた人体模型定吉が請け負っています。
銭湯破壊シーンや
裸体男女の集団逃走、可動式巨大人体模型の崩壊、大雨による大洪水などのスペクタルシーンの描写は圧巻。ギャグマンガと思ってバカにしてはいけません。屋根の上を走り回ったり、
着ぐるみで街中を跋扈したり、アラレちゃん並に頭の弱い少女リカと定吉の心の交流も見逃せない。
個人的には定吉の体の各器官が反乱を起こして、逃げ出してしまい、
すべての器官がチンポに変化してしまうシーンが小松左京の『アダムの裔』を思い出させるので気に入っています。
『スカタン天国(パラダイス)』と改題した続編があります。
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