ハチャハチャSF、そして、明治文化研究家、SF古典研究家である横田順彌氏の青春記です。
『予期せぬ方程式』や『ヨコジュンのワンダーランド』など、高校生時代に楽しませていただいた作家です。中学時代にも、赤川次郎との競作のショートショートなんかも楽しく読んだ覚えがあります。
落語研究会にいた頃のエピソードで、学生運動激しい中、落語に打ち込む、というか落語をやってるそのリベラルさというか、雰囲気に流されない、自分を持っているようなエピソードが印象的でした。しかし、北海道から九州まで足を伸ばしたり、とても行動的な方々です。
SF草創期の雰囲気も伝わってきて、なかなか面白かったです。一の日会や自らSF同人誌をつくったところなど、そういう情熱は僕にはないなあと思ってしまいますが、まあ、このブログなんかも一つのファン活動といえないこともありませんね。
最近すごく感じるのですが、SF作家の書くエッセイはサービス精神や、描写方法が普通のエッセイと違うので、まるまま信用できない、という、嘘か真かわからない面白さがあります。だから余計に、そんな韜晦した文章の中に垣間見える情熱が現れた時、読者は心を動かされるのでしょう。
あの頃読んだ小説と同じように、楽しい気持ちにさせていただきました。
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