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SF読もうぜ(262) 早川書房編集部編『日本SF・幼年期の終り―『世界SF全集』月報より―』

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1968年10月に刊行が開始された『世界SF全集』(全35巻)。その月報に掲載された星新一、手塚治虫、佐野洋、谷川俊太郎などの珠玉のエッセイが、日本にSFが根づきだした時代を見事に描き出す。
1968年10月、「世界初の画期的企画」と銘打たれた『世界SF全集――21世紀の文学』がスタートした。『ハックスリイ/オーウェル』『レム』『ヴォクト』と次々に刊行されていったこの『世界SF全集』に、毎月付録としてはさみこまれた月報には、星新一、筒井康隆、眉村卓などのSF作家はもちろんのこと、三木卓、谷川俊太郎(詩人)、手塚治虫、松本零士、石森章太郎(漫画家)、都筑道夫、生島治郎、佐野洋(ミステリ作家)など、そうそうたるメンバーがエッセイをよせている。それらのエッセイには、それぞれの著者のSFへの熱い想いが凝縮しており、日本にSFがようやく根づきだしたこの時代――1970年前後のSF界の状況をみごとに映しだしている。世界SF大会が日本で開かれる2007年に、日本SFの原点ともいえるこの時代を映し出す鏡として、全105篇のなかから34篇を厳選して収録する。(ハヤカワ・オンラインより)

 時代の息吹を感じる本。

 世界SF全集月報から厳選した34篇。こんなこというとアレですが、どうせSFファンしか買わないんだから全部収録してほしかったデス。まあ、でも、全集見れば載っているわけですから、コアなファンは読んでいるのでしょうか。

 僕が一番好きなのはやっぱり筒井康隆氏の文章。全集で一度読んでいるのですが、やはり文章の与える効果を知っているというか、最後の繰り返すところが、じーんときます。人称の選び方なんかも、SF「幼年期」を感じさせる「ぼく」という呼称であるのがさらに感動的。

 「今がぼくの時代でなくて何であろう。
 ぼくの時代なのだ。」

 それから、谷川俊太郎の「悟りとS・F」の関係性の文章もすてきです。「S・F」とくぎっちゃうところに時代性を感じますねえ。野田氏らコレクターたちの涙ぐましい努力や初めてSFに出会ったときの衝撃など、「ああ、わかるわかる」と大きくうなずいてしまうシーンも多々あり、SFファンにとっては嬉しい本です。

 SFがまだ怪物性を保っていた時代に、どう転んでいくのかその可能性にいい意味でも悪い意味でも慄いていた時代の、ジャンル自体の「青春」を感じました。きちんと本体である『SF全集』、それから月報も読みたいので、今度図書館で借りてみようと思います。
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