「チャーリーを殺す」―ヴァージニア大学都市のサバティカル・クラスの学生達に送られてきた子のメッセージは、単なる殺人予告ではなく、“人類への挑戦”だった!人類の科学技術を超えた手段で攻撃を仕掛けてくる“何者か”を追って、舞台はアマゾンへと移るのだが・・・・・・。人類は果たして地球の“最終王朝”なのか、それとも“後継者”が現れてくるのか?SF長篇小説の傑作。
購入してから一年ほどほっといた本をようやく読了。久しぶりの日本SF。
一言で印象を表しますと「いい作品」です。小松左京は、やっぱり、基本的には純文学畑の人なんだなあって、再確認しました。そのテーマ性を掘り下げる姿勢が、作品の基調を上品なものにしています。
袋小路にさしかかった人類っていう設定は小松作品ではよく見かけるような気がします。途中の人類を救うのは「愛」であるという発言にヒッピーを引き合いに出しているのは時代を感じます。こういう作品、短篇にもあったような・・・・・・。
コンピュータが発達し、戦争もなくなった社会。しかし、同時にこれから人類がどの方向に向かっていけばいいのかわからない。未来社会についての描写は面白かった。しかし、僕は性的な抑圧が強い方なので、未来社会にでてくるフリーセックスっていうのには妙に汚らわしい感じがしてならない。寺山修司が、恋人を一人に限定するのはひとえに独占欲の問題であると論じていたが、理論的にはついていけるけど、感覚的にはやっぱりついていけないものがあります。
ところで、この前、テレビで小松さんをお見かけしましたが、すごく痩せてらして、とてもびっくりしてしまいました。
もう一つ、余談ですが、昨日のNHKの国際宇宙ステーションからの生中継を最初の方見逃してしまいました。松坂の情報が気になって見ていたせいで、最後の数分しか見ることができませんでした。ビデオとっときゃよかった。
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