商業宇宙船ベンチャー号のパウサート船長は、ひょんなことから異星人の三姉妹を救出する。これがケチのつきはじめ。無邪気でかわいいこの少女たち、実は「魔女」の名で恐れられる、カレス星の超能力者だったのだ。心ならずも姉妹の一人と旅するハメになった船長は、いつしか人類の命運を決する銀河系規模の大戦争に巻きこまれてゆく。あどけない女のコが大活躍する、痛快冒険SF。
『ローカス』誌1975年オールタイムベスト36位(87年31位、98年46位)。『アルジャーノンに花束を』と同順位です。
宮崎駿監督の描く表紙にひかれて買ったのですが、内容も素晴らしかったです。なんといっても、ヒロインが素晴らしいですよ。宮崎監督の絵が表紙を飾っているのも肯けます。あの方は魅力的な女の子を描くのが得意ですから。僕としてはメインヒロインのゴスは、『紅の豚』に登場したフィオ・ピッコロを思い浮かべました。末娘のザ・リーウィットは『となりのトトロ』のメイかな。年齢が前後してしまいますが、長女のマリーンはサツキ。
前半、惑星カレスに姉妹達を送り届ける時の、両者のかみ合わなさに笑い、中盤、宇宙海賊たちの惑星なんかでの危機に震え、後半、船長の能力の覚醒に目を瞠る。その、どの点においても、ゴスという生意気な口調で喋る少女の活力に出会えます。
侵略生物との戦い、精神体生物(?)との接触、過去への遡行、超能力・・・・・・など、様々な要素を詰め込んだ楽しい作品。作品紹介の「痛快冒険SF」という言葉がすべてを表しています。夢中になって、読みました。
それにしても、ヴァッチって何者だったんだ?
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