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SF読もうぜ(23) A・E・ヴァン・ヴォクト『宇宙船ビーグル号』

62221e20.jpg A・E・ヴァン・ヴォクトの宇宙妖怪譚。

 食料となる生物が絶滅し、激しい飢えに苦しんでいた宇宙生物クァールは興奮に身を震わせた。廃墟に着陸した巨大な宇宙船の中から、二足生物の群れが姿を現したのだ。餌だ!すぐにも襲いかかりたい衝動をかろうじて抑えたクァールは、その姿を廃墟の中に溶け込ませると、宇宙船めがけてしのび寄っていった・・・・・・大宇宙に潜むおそるべき異種の知性たちと、宇宙船ビーグル号に乗る探検隊との死闘を描く、宇宙SFの真髄!

 面白い!最後までドキドキしながら読みました。一つは宇宙の異形の生物たちとの戦いで、圧倒的な力を持った敵に、いかに狡知を振り絞りながら打ち勝つか、という不可能をやりとげる手腕。そして、もう一つは新興の分野である、情報総合学(ネクシャリズム)を専門とするグローヴナーの政治的闘争。この二つを巧く絡み合わせていて、面白い。

 クァールといい、イクストルといい、ちょっとお間抜けなところがカワイイ。
 最後のアナビスという生物との話は、シェクリイ『ひる』やレンスターの『最初の接触』を足して二で割ったような作品。しかし、スケールでかいのう。

 ソフトバンクの敗戦に打ちひしがれていましたが、この作品でなんだか元気がでました。ありがとう、ヴァン・ヴォクト。『遥かなるケンタウルス』は肌に合わなかったけれど、この作品ははまりました。また、別の作品を読んでみたいと思います。
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ヴォクトの最高傑作

  • by goldius
  • URL
  • 2007/09/06(Thu)00:17
  • Edit
はこれだと思いますが、アマゾンレビュアーには非Aシリーズがダントツに評価高いですな。

この作品は味が違うような気がします

  • by A・T
  • 2007/09/07(Fri)07:46
  • Edit
 ヴォクトはあまり読んでいないのですが、この作品だけは味が違うのではないかなあと思います。ほかの作品では設定自体がすごすぎて、ぶっとんだヴォクトワールドが展開されているような気がするのですが、この作品では地に足がついたようなリアリティのあるぶっ飛んだ作品という感じです。と、いうのも『非Aの世界』は百ページほど読んで投げ出してしまったもので・・・・・・。『イシャーの武器店』なんかも積読になっているので、いずれ読んでみたいと思います。

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