A・E・ヴァン・ヴォクトの宇宙妖怪譚。
食料となる生物が絶滅し、激しい飢えに苦しんでいた宇宙生物クァールは興奮に身を震わせた。廃墟に着陸した巨大な宇宙船の中から、二足生物の群れが姿を現したのだ。餌だ!すぐにも襲いかかりたい衝動をかろうじて抑えたクァールは、その姿を廃墟の中に溶け込ませると、宇宙船めがけてしのび寄っていった・・・・・・大宇宙に潜むおそるべき異種の知性たちと、宇宙船ビーグル号に乗る探検隊との死闘を描く、宇宙SFの真髄!
面白い!最後までドキドキしながら読みました。一つは宇宙の異形の生物たちとの戦いで、圧倒的な力を持った敵に、いかに狡知を振り絞りながら打ち勝つか、という不可能をやりとげる手腕。そして、もう一つは新興の分野である、情報総合学(ネクシャリズム)を専門とするグローヴナーの政治的闘争。この二つを巧く絡み合わせていて、面白い。
クァールといい、イクストルといい、ちょっとお間抜けなところがカワイイ。
最後のアナビスという生物との話は、シェクリイ『ひる』やレンスターの『最初の接触』を足して二で割ったような作品。しかし、スケールでかいのう。
ソフトバンクの敗戦に打ちひしがれていましたが、この作品でなんだか元気がでました。ありがとう、ヴァン・ヴォクト。『遥かなるケンタウルス』は肌に合わなかったけれど、この作品ははまりました。また、別の作品を読んでみたいと思います。
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COMMENT
ヴォクトの最高傑作
この作品は味が違うような気がします