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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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こんなのサッカーじゃないカニー 『かにゴールキーパー』(06年・日)

 環境破壊が原因で、この地球上でさまざまな生態系や個体の突然変異が現れていた。そんなとき、一匹の巨大な蟹が日本のとある浜辺に打ち上げられた。子どもにいじめられていた蟹とそれを助けた少年との友情をベースに、怪しく織り成すカニのサクセスストーリー(?)。

 ・・・・・・カニがゴールキーパーです。

 浜辺に打ち上げられた一匹の巨大なカニ。そのカニを痛めつける三人のこども。そして、カニを助ける一人の心優しい少年・・・・・・。カニと少年は手を取り合って友情を確認し合い、空に浮かぶは『かにゴールキーパー』という美しい書体の文字。シュール・リアリズムな世界です。

 所変わって少年の家。飲んだくれの親父に、それを責め喧嘩する母親。少年は夕食の魚をビニール袋に入れ、プレハブにかくまっているカニのもとへと運んであげる。すると、「サ・・・カ・・・ナ」。「かにが喋った!」少年はクララが立ったときのハイジのように喜ぶのであった。

 とある朝、かには少年の家の畳に間にどでんと座っている(シュールだ!)。少年は両親にかにを飼うことを懇願し、ろくでなしの親父はそれを快諾する。しかし、漁師である親父は、船のエンジンが壊れて仕事ができないためカニを政治家のパーティーのためにホテルへ売ることを決める。それを襖の向こうで盗み聞きしていたカニは家を出ることを決心するのだった・・・・・・。そしてカニの遍歴が始まるのです。

 普通に電車に乗って都会へと出るカニ。魚屋で堂々と魚をむさぼりくっているところをヤクザに見つかり、彼はクラブのボーイとして働くことに。次に泡を吐くという特技を見込まれ、ソープランドへ。
 一方、少年はカニを捜していた。ふとした拍子でカニを見つけた少年。ようやく家に帰ってきたカニは自分が働いて家計を助けることを宣言。横移動がすばやいという理由でバーテンダーに

 そこで藤岡弘、演じるサッカーチームの監督が登場。「うちはオフェンスが強いんだけど、ディフェンスが弱いんだよなあ」という説明くさい台詞を吐いていた監督はなにかの気配に気がついた!ギラリと光る藤岡弘、の目。その目にはバーカウンターの中で素早い横移動を繰り返すカニの姿が映った!一瞬、彼の脳裏に競技場で素晴らしいセーブをする「かにゴールキーパー」の姿が浮かぶ。「君、ゴールキーパーをやってみないか!」思わず叫ぶ藤岡弘、!いや、待て、相手はカニだ・・・・・・。藤岡は自分の提案を口の中に呑み込んでしまう。

 ある夜、仕事を終えたカニは自殺者の少女を救う。彼女は霊感商法をはじめとした種々の悪徳商法に引っかかっていたのだった。次第に彼女とカニは惹かれ始め、カニは彼女を救うためにはお金が必要だと感じる。その時、カニの目に飛び込んできたのは藤岡弘、率いるサッカーチームのポスターだった。

 入団試験を受け、正式にサッカー選手となったカニ。その様子をある新聞紙がスクープ。スポーツ新聞の一面には「かにゴールキーパー現る」という記事が踊った。しかし、竹中直人演じるGリーグチェアマンはカニを出場させれば藤岡弘、をサッカー界から永久に追放すると言い放った。「たしかにルールブックにかにを出場させてはいけないとは書いていない・・・・・・。だが、それは当たり前だからだっ!」そう、確かにその通り。しかし、藤岡弘、は「やつは本物です」と翻意する様子をみせない・・・・・・。

 そして次節の試合がやってきた。しかし、カニはベンチにいた。応援席には少年の家族がカニの出場を待ちわびている。試合が始まった。相手はラフプレーを得意とするチーム。味方キーパーがそっこうで膝蹴りの餌食に(不思議とレッドカードはでない)。監督は決断を下す。「キーパー交代、かに」。ついに「かにゴールキーパー」はピッチに立った。途端に鋸や斧を持った相手イレブンがカニに襲い掛かります。ボコボコにされるカニは思わず叫んだ。「こんなのサッカーじゃないカニー」。まったくその通りだ!カニの弱点はカニ味噌をとられるとアホになってしまうこと。カニ味噌をピッチにぶちまけられたカニはなすすべもなくゴールを決められてしまいました。

 と、そこへ駆けつけた友人のヤクザが最高級カニ味噌をダンボールいっぱいに詰めて登場。カニの後頭部からかに味噌を投入。「アンパンマン、新しい顔よー」とバタコさん並の活躍をみせます。
 たりらりらん状態から復帰したカニは恋人にプロポーズをし、ピッチに再び立ちました。試合はPK選へ。両チーム三本すべて失敗したあと、相手チームが繰り出した技は・・・・・・。ぶ、分身魔球だ!カニは分身魔球を気合で止め、続く炎の出るボールもナイスセーブ。そしてカニは伝説になった・・・・・・。

 無駄に豪華なキャスト。思い切り作り物の蟹。はっきりいってバカバカしさを極めたと思います。ある意味、感動です。紗綾と少年の「中学生日記」のような雰囲気も楽しめる、突っ込みどころの多い傑作です。あー、楽しかった。今度は「いかレスラー」と「コアラ課長」も借りてこよう。
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