ココナッツホテルの経営者ハマーは、一向にホテルが繁盛しないことから金持ちの未亡人ポッター夫人に土地を売りつけようとする。しかし、ポッター夫人の資産を狙う詐欺師ハーヴェイによって事態は苦しくなり、ハマーはさくらを使い土地の値段を不正に吊り上げ土地の競売を計画するが…。マルクス喜劇の第一弾。
古い映画って映像面とか保存の状態もあって、見るのが辛いことがあるんですけど、この映画もフィルムの状態によって、きついところがありました。しかし、それを補って余りある面白さ。
最初はまあまあかなーとか思ってたのですが、ハーポが出てきた瞬間、雰囲気は一変。ほんと、大爆笑でした。なにしろ、突如として
電話を食いだしますからねえ。ひいひい言って笑ってました。ストーリーはちょっとわかりにくいし、単純すぎたかなあ。カメラワークも、まあ、昔の映画だから仕方ないんでしょうが、ちょっと退屈だったような気がします。
ミュージカルなのですが、普通のミュージカル場面より、やっぱりハーポのハープ演奏と、チコのピアノ演奏が楽しかったです。特にチコの人差し指が楽しい。多芸ですなあ。
筒井康隆さんが、『48億の妄想』のあとがきで自分の三大師匠をダーウィン、フロイトと並べてハーポの名前を挙げています。長篇の『馬の首風雲録』の末っ子ユタンタンもハーポを意識しているのだろうなあと思いました。その無思想性というか、笑いのためならなんでもやるぜといった道化性、毒、ぶっ飛んだ発想、ナンセンスさがやっぱりいいです。なかなか面白かった。
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