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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

モラトリアム

   

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ルール無用の残虐ファイター 『東京ゾンビ』

 東京の片隅にある消化器工場で働くアフロヘアーのフジオとハゲのミツオ。毎日、柔術の練習に明け暮れる2人は、年齢の差を超えた不思議な友情で結ばれていた。一方、粗大ゴミ、産業廃棄物、さらに不要になった“人間”まで捨てて埋められているゴミ山“黒富士”から、ゾンビが大量発生。東京を襲い、首都は壊滅状態になる。5年後、ゾンビが徘徊する東京では、生き残った金持ちたちが娯楽のために人間とゾンビを闘わせる「ゾンビ・ファイト」を行なっていた。その中にファイターとして闘うフジオの姿があった。

 これは、ヘンだあ!

 ゾンビ映画+格闘技映画。B級×B級です。

 悪趣味ここに極まる。道徳心の欠片もなく、人々は皆欲望と自己中な行動しかしません。人を殺してもなんの罪悪感もなく、ゴミ山に埋めに行き、人をひいても、「まっ、いっか」とそのまま通り過ぎる。ゴミ捨て場に少女が倒れていれば、まず、スカートの中をのぞこうとし、姑を地面に埋めては、嫁が頭を蹴っ飛ばし、宙空を生首が舞う。なんじゃ、こりゃ。

 アフロの役を浅野忠信。ハゲの役を哀川翔。翔さん、なにやってんすか!?
 映画の文脈をはなはだしく破壊し、もうなんでもありになっています。終始、脱力しっぱなし。これは失笑であるのか、普通の笑いなのか、自分でもわからなくなるくらいヤバイ。禁断の映画ですよ。途中の体育館でのハゲによる歌いながらの癌の告白など、「これで感動しろというのか?いや、それとも笑いをねらっているのか?」と始終本気なのかギャグなのか、境界がわからない「戸惑い映画」です。

 さらに途中で、アニメーションに変わり(『地獄の黙示録』のパロディで始まる)、五年後に飛び、格闘技場でのゾンビ対人間のタイマンに。そこで、五年前にゾンビに噛まれて、ゾンビになったハゲとの師弟対決!どこまで、アホなんだ・・・・・・。まあ、でも、そこが逆に清々しい。

 楳図かずおファンにはたまらない映画です。確かに作品も楳図テイスト。楳図先生の怪演が映画にマッチしてすごいです。楳図先生の演技が似合う映画なんてそうそうありませんよ(褒め言葉)!そうだ、『神の左手悪魔の右手』も見なきゃ。
 ちなみにブルーハーツの同名の楽曲はまったく関係ありません。
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