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昔はよかった(SF119) ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』

ジャック・フィニイの短編集。


『ゲイルズバーグの春を愛す』

 新聞記者の「私」はこのゲイルズバーグの地に工場を建設しようとしているマーシュにホテルのレストランで話を聞く。彼は工場建設を断念していた。その理由は・・・・・・。

 「過去」が現在と対決しているというのがいいです。現実の構造を物語でうまく表現しているな、と思ったけど、ただの懐古趣味のような気も。電車が走ってくるシーンが白昼夢的でよい。昔はよかった。

『悪の魔力』

 街をぶらつくのが趣味の「ぼく」は、同好の士を同じ職場に見つける。彼女は外見をまったく気にしない女性だが、あることを境に彼は彼女の肉体が素晴らしいことに気づく。

 薄布が透けて見える眼鏡・・・・・・。中学生並みの妄想力を爆発させた作品。そのへんを通る女の人の下着やら、裸やら、見放題、という。アホな話や。オチもみえみえだけどアホや。

『クルーエット夫妻の家』

 建築家だった祖父の設計図を偶然お客が見つけ、この家を建ててほしいと申し出る。

 昔はよかった。生きている家テーマではないが、そんな雰囲気がしないでもない。

『おい、こっちをむけ!』

 批評家の「わたし」は友人の作家の幽霊を通りで見かける・・・・・・。

 うーん、あまり好きなタイプの話ではないなあ。

『もう一人の大統領候補』

 いたずらの天才チャーリイを信奉する語り手の「私」。チャーリイがいかに人を虜にする天才か、幼い頃の事件を例に出してみせる。チャーリイは虎に催眠術をかけたことがあるのだ。

 面白い。サーカスから逃げ出した虎を催眠術の本片手に眠らせてしまうチャーリイ。その手際のよさには、魅せられました。

『独房ファンタジア』

 一人の死刑囚が独房に壁画を書きたい旨を申し出る。死刑が数日後に迫る中、彼が描き出したのは、本物と見まがうほどの扉であった。

 読んでいて思い出したのは、クリント・イーストウッドの男汁溢れる映画『トゥルー・クライム』。まあ、最後のところだけですが。題名どおり、素晴らしいファンタジーです。現代は『Prison Legend』。こちらもいいですね。

『時に境界なし』

 警察に呼び出された科学者の「ぼく」。なんの説明もなしに、イリーン警部は彼に古い写真や映像を見せるのだ。そこに写っていたのは・・・・・・。

 昔はよかった。スポーツの名場面を余さず観ることができるというのが、うらやましいと思いました。

『大胆不敵な気球乗り』

 大空を舞う鷹を見て、自分もあのように飛んでみたいと思ったチャーリイは気球を作製し、夜空に舞い出すのだった。

 空飛ぶ話は大好きなので、これもよかった。塔の上に自分の名を記すところが、お茶目でいい。不倫になりそうでならないのが、残念(?)。どうせ願望充足するなら全部満たしてしまやよかったのに。

『コイン・コレクション』

 妻とけんかをした翌朝、彼はパラレル世界に迷い込んでしまい、別の妻の待っている家に帰ることになる。

 倫理的に「いいのか?」と突っ込んでしまう作品ですが、まあ面白いです。こんなのを女性に読ませたら、「まったく男は!」といわれそうですが。

『愛の手紙』

 古道具屋で買った箪笥。その奥の隠し扉に、「ぼく」は手紙を発見するのだった。

 ファンタジイです。なかなか、悲劇的な要素があって、心に染み入ります。時間を相手にしては勝ち目がねえなあ。

 総評:昔はよかった。これまで読んできた作品にも、その傾向はありましたが、改めて短編集で読むと、はっきりします。昔はよかったんだ!
 僕のベストは『独房ファンタジア』こういうハッピーエンドな作品はいい。
 社会的なメッセージはまるで発さずとも、願望充足に終始するその物語形式は大好きです。この人はあまり現実に適応できなさそうだなあ。
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