民主主義崩壊後の新政府、地球連邦では軍部を中心とした「ユートピア社会」が築かれていた。社会は清廉で、人種・男女の差別なく全く平等に活躍しているが、軍歴の有無のみにより差別され、兵役を経て市民権のある「市民」と、兵役につかなかった「一般人」に分けられている。銀河全体に殖民を始めた人類だが、その先で遭遇した先住の昆虫型宇宙生物(アラクニド・バグズ)の領域を侵したため紛争が発生し、アラクニド・バグズが地球に対し小惑星を突入させる奇襲攻撃を仕掛けてきたため、全面戦争が始まった。
主人公ジョニー・リコは、高校卒業後地球連邦軍に入隊して宇宙戦艦のパイロットになるガールフレンド、カルメンに憧れ、自身も大学進学をやめて軍に入隊し機動歩兵隊の訓練キャンプでしごかれる日々を送る。一旦は軍隊をあきらめようとしたリコだったが、奇襲攻撃で故郷ブエノスアイレスが壊滅したため機動歩兵に復帰し、宇宙での戦いに加わる。厳しい戦いで仲間を次々に失うなか、次第に戦士として成長していくリコ。そして侵攻した惑星で、知能を持ったバグ(ブレイン・バグ)にとらわれたカルメンを救出しようとするが…(ウィキペディアより引用)
僕は映画化した作品は原作を読まないことには見ません。この作品もロバート・A・ハインラインの『宇宙の戦士』が原作。日本SF界でも物議をかもした作品として有名。詳しくは石川喬司『SFの時代』、或いは『日本SF論争史』を参照にしてください。その右傾向の考えに、僕は拒否反応を示しました。
さあ、そしてその原作をもとにしてメガホンをとったのは我らが
ポール・バーホーベン監督だー!一部で
悪趣味大王と呼ばれたりしているチャーミングな監督です。
エロスとバイオレンスの作家、バーホーベン様は裸もたくさん見せていただいてありがたいんですが、やっぱりラストの
脳みそをストロー状の嘴で吸い取られる様子が非常に印象的(?)でした。あんなのもう二度と見たくありません。役者さんの表情がすごすぎ。
とにかく蟲がやたらと襲ってきます。カマキリの卵が孵った後のようにわらわらとわいてくる虫たち。人間たちは圧倒的な蟲のパワーに押され気味。瞬く間にグサグサ刺されて死んでいきます。ふと、途中で疑問がわいたのですが、空爆させたら相手はあんなに簡単に死んだのに、最初の戦いではなぜ歩兵部隊がなんの援護もなく突入したのでしょうか。かわいそすぎます。
パワード・スーツが出ないんですよね。『機動戦士ガンダム』の元ネタにもなったことで有名なパワード・スーツが。まあ、それは『エイリアン2』で同じようなものを見たからいいか。
さて、問題の物語のテーマなのですが、バーホーベン様は逆手にとってブラック・コメディにしちゃいました。この作品は全体が軍隊の宣伝フィルムのような構造になっていて、アメリカに対する風刺になっています。真面目に軍隊や戦士になることの必要性を語っていたハインラインが見たら絶対怒ると思うなあ。
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無題
もっとも、原作を書いた当時だったならば激怒したでしょうけど。
無題