西暦2011年。日本以外のすべての陸地が海に沈んでしまう。命からがら逃げおせた各国の難民たちは、狭い日本に押し寄せる。当然のごとく勃発する食糧難に物価の高騰、失業率の上昇といった危機的状況を打開すべく、日本政府は超法規的措置として「GAT〈外人アタック・チーム〉」を組織する。
やっすいな~。
原作は筒井康隆『日本以外全部沈没』。原典は小松左京『日本沈没』。そして、監督は『
コアラ課長』『
いかレスラー』『
かにゴールキーパー』『
ヅラ刑事』などの河崎実。監督の作品履歴を見た瞬間になにか頭がクラクラする感じがあります。
さあ、そして内容は・・・・・・。日本以外全部沈没して、流入してきた外国人が増えすぎて社会問題化。日本社会は外国人を迫害する。外人攻撃部隊(GAT)が設立され、日本になじめない外国人を国外追放する・・・・・・。そして舞台はあるクラブ。外国人は国外追放されたくないためにコビを売る。中朝の指導者は日本の総理に気に入られようと
あの神社にお参り、
ブルース・ウィリス?やアーノルド・シュワルツェネガー?は筒井さん扮する男に「なにか芸をやれ」といわれ映画の1シーンを演じて(モノマネ?)みせる。これは海外に輸出してはいけません。まあ、こんなものが海を越えるとは思いませんが。黒い笑いに満ちた作品です。
筒井さんの原作では、小説なので出演料は発生しないから、冒頭でフランク・シナトラが『赤城の子守唄』を歌っていたりするのですが、映画では
誰だかわからない人が歌っているのが物悲しい。全体的には
低予算映画特有の物悲しさが作品を覆っていて、それが人によってはいい味です。「物好きな」という形容のつく人に。
あと藤岡弘、の男気がすごいです。終盤、実はバーのイケメンマスターが
金正日の変装だという衝撃の事実が発覚。防衛庁長官の藤岡弘、も掃除婦に化けた北朝鮮の兵士に銃を突きつけられ、人質にされるのですが、コートの中にダイナマイトを装備していて、
なぜか自爆してしまいます。侍魂・・・・・・だったんでしょうか?
最終的には「てぶくろ」の童話のお話できちんと締めてくれます。ブラック・ユーモアを交えつつ、けっこう主張としては真面目な映画でした。けれども話のくだらなさに圧倒されて、そんなものはあまり記憶に残りません。
一時間四十分普通に見ているのは正直言って辛いです。安いなあ。くだらねえなあ。そこに「おいおい」と突っ込んでこそ、面白い、観客参加型(?)映画です。
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