「女に生まれたということが、女の幸福の第一歩なのである」。女性的原理について論じた表題作をはじめ、ホモ・セクシャリズムやフェティシズム、オナニズムを語る「異常性愛論」、有名女優をめぐる考察「モンロー神話の分析」等、存在とエロスを軽やかに読み解く傑作エッセイ29編!
なんだか紹介が過激なフェミニストの方に怒られそうな題名ですが、内容もそれっぽいですね。ただ、男女の性の違いというのは確実に存在するわけで、なんでもかんでも同じにするっていうのは、僕もどうかと思います。
読んでて感じるのは、寺山修司と共通する部分があるなあ、ということですね。要は「異端」というか、タブーを論じることで遊んでいるというか・・・・・・。「自分の死を自分の手に」のエッセイなんかも、死を思想化しようといった寺山修司の『青少年のための自殺学入門』を思い出したりしました。
最近、ポルノやエロティシズムの歴史やイデオロギーに興味があるので、非常に各話が参考になります。将来、ポルノと麻薬は合法になるという予想がありまして、これなんかSFのネタに同じようなのがありますけれど、やはりこれだけのバック・グラウンドがあるだけに、深さがまったく違うような気がします。
現代の悪については、我々は身の内にある神を失くしてしまった、宗教を失ってしまったということでしょう。倫理観が崩れ去りかけている今こそ、我々は正義と非正義を確固と区別した我々の神話を復活させないといけないのではないでしょうか。
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