家に憑き、家具などをガタガタ揺すって大騒ぎするさわがしい幽霊ポルターガイスト。伝説や神話に登場する頭の二つある変な蛇、石の上に顔が現われるという奇現象など、不思議な話をこよなく愛する著者が、最も心ひかれるテーマをとりあげ、古今東西の典籍を引用しながら物語る不思議話のミニ集成。夢とシンボルの一大宝庫へ読者をいざなうエッセイ集!!
奇談が大好きなので楽しいです。SFが好きなのも要は変な話が大好きなので。
特に気に入ったのをいくつか。
「鬼神を使う魔法博士のこと」。役の行者の話です。式神使いですね。安倍清明という偉い人のお話です。
「悪魔と修道士のこと」。禁欲的な生活をしているとやっぱりいろいろ見えるのです。宗教改革の人、ルターも悪魔の姿が見えたんだそうです。へえー。
「隠れ蓑願望のこと」。隠れ蓑をして王宮の女官や妃を犯す三人組の話が書いてあります。ひどい話やのお。パール・バーホーベンの『インビジブル』という映画で、透明人間に変貌したケビン・ベーコンが所員の女性の服を脱がして乳首をつまんだり(そういえばこの場面、押井守監督が絶賛されてます)、隣のビルのシャワー浴びるお姉さんをのぞいたりしていましたが、透明になった男は皆考えることは一緒なんでしょうか。
「女護の島のこと」。井原西鶴の本は実はとても読んでみたいんですよねえ。特に「好色」のつくもの。この章は女しかいない島のエピソードがいくつか書いてあります。ハーレム願望の強い人、二次元ジゴロや「ジーク・ナオン」という人にはオススメです。
とにかく変な話好きの人にはたまらん本です。
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