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海外古典を読む④ デフォー『ロビンソン漂流記』

 難船し、ひとり無人島に流れついた船乗りロビンソン・クルーソーは、絶望と不安に負けず、新しい生活をはじめる。木材をあつめて小屋を建て、鳥や獣を捕って食糧とし、忠僕フライデーを得て、困難を乗りきってゆく。社会から不意に切り離された人間が、孤独と闘いながら、神の摂理を信じ、堅実な努力をつづけてゆく姿を、リアリスティックに描いたデフォーの冒険小説である。

 名作と呼ばれるのも理解できる面白さ。

 小学生のときに抄訳で読んでいるのですが、そのときとはまたイメージが違う感じです。あの頃はひたすらロマン的な面ばかりに心がいっていたのですが、フライデーら現地人との文化的接触、信仰の問題なども非常に興味深かったです。西欧の考え方にほいほいとついていってしまうフライデーには、お前はそれでいいのか?と尋ねたかったのですが、まあ、僕の口出しするところでないので置いときましょう。これについては、ミシェル・トゥルニエという人が、『フライデー あるいは太平洋の冥界』という本で書き表しているようです。

 無人島に一人で取り残される。この大好きなシチューション!わずらわしい人間社会から隔絶され、一人清閑な生活を送ってみたいものです。といっても、死ぬ危険を顧みないならば、の話ですが。生きるために戦うロビンソン・クルーソーのその姿が細々と描かれ、そのリアリズムに思わず引き込まれていきます。頼れるのは自分だけ、という状況の中で、しっかり先の計画を立てて行動していくその姿に、自堕落な人間である僕は憧れてしまいます。

 「神」の存在を後半になってひしひしと感じるようになるロビンソン・クルーソー。昔から思うのですが、無信心な僕に言わせると、なぜ神はこうも我々にいろいろな試練を与えるのか。そして、なぜ人はそれに耐えていくことに、被虐的な悦びを感じようとしてしまうのか。と考えてしまうのですが、艱難辛苦に耐えていくその姿に僕ですら心奪われ感動してしまうのですから、そういう意味ではこの小説自体が神性を帯びているかもしれません。

 SFの元祖とも言われる作品。異常状態での人間の心理と行動を捉えた傑作だと感じました。楽しい冒険小説でした。

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