『無敵看板娘』が四年に渡る連載を終えました。ただ、あまりがっかりはしていません。掲載誌はあの『週刊少年チャンピオン』です。『浦安鉄筋家族』は『元祖!浦安鉄筋家族』としてリニューアル。『グラップラー刃牙』は『刃牙』→『範馬刃牙』と改題して、二度の最終回を迎えながら、連載は続けられています。人気漫画はまるで
出世魚のように名前を変えてしまうのです。『無敵看板娘』も三月十六日発売号でリニューアルして、戻ってきます。名実共にチャンピオンの看板になったわけですね。正直、ほっとはしましたが、これだけは言わせて貰います。
あざといぞ、チャンピオン!
すっきりしたところで、作品のレビュウを。
花見町商店街にある鬼丸飯店の看板娘である鬼丸美輝。料理も出前もろくにできないくせに腕っぷしはめっぽう強い。そんな美輝と商店街の人々が巻き起こす騒動を描いたコメディー。
登場人物は隣の八百屋の若き店長、腰痛持ちでツッコミ役の太田。美輝にやられたことを根に持って、そのリベンジを果たそうと大学生活を終えて帰ってきた勘九郎(
フリーター)。獰猛な外見と戦闘能力を保持するが、飼い主遠藤若菜ちゃん(小学生)には頭が上がらないプチブルドッグの遠藤敏之。幼少より美輝にいじめられ、復讐のためには手段を選ばない
メイド服のパン屋神無月めぐみ。こんな面々が登場します。
この漫画の素晴らしいのはその独特の台詞回しです。一番気に入っている台詞は美輝が太田に向かって放った一言です。
名字に「鬼(オニ)」がつく美輝は節分に鬼の役をやらされ、ぶつくさ文句を言っています。それをいさめる太田への一言。
「
ま 名字に"オタ"がつくあんたに言っても わからんだろうけどな」
全国の太田姓を持つ人々は慟哭したことでしょう。もちろん「オタ」とはオタクの略称です。
とっても面白いのでチャンピオンの少年漫画界での復権を果たすためにぜひ巷間に伝わるようアニメ化を!と思ったのですが、アニメ化するには少々問題が多すぎるような気がします。
それは暴力シーンや残虐シーンが多いこと。毎回、美輝と勘九郎の対決があり、勘九郎が
ボコボコにされるので、これは苛めの描写につながるのではないか。神無月めぐみはペットの毒ガエル(
きららちゃん)や毒サソリ(
ポエミィちゃん)で美輝を亡き者にしようとするし、敏之(プチブルドック)に頭から食いつかれて流血するシーンも多い。なにより美輝は
包丁もって人を追いかけまわしたりする危険な奴です。
それに、実は無敵なのは看板娘の美輝ではなくおかみさん、つまり、美輝の母親です。
四股で地割れを起こすことができます。範馬勇次郎なみの強さです。娘に対するしつけが半端ではありません。もはやしつけというより虐待。いや、
虐待というよりも、殺人未遂。
これはアニメ化した場合、『刃牙』のように深夜で放映するしかないですね。その時間帯であればツッコミ太田が思わず次のように呟いた第一話も放映できるかもしれません。「
すげぇ・・・ 第一話でヒロインが吐いた・・・」。
ヒロインが第一話でゲロを吐く漫画をあなたも読んでみませんか?
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