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想定の少し斜め上を行く面白さ 冨樫義博『レベルE』

ff5c3891.jpg 本日は『HUNTER×HUNTER』が休載中冨樫義博先生の『レベルE』。1995~1997『週刊少年ジャンプ』に月一回連載という形式で発表。

 地球には多くのエイリアンが飛来しているという・・・・・・。引越し先の部屋に宇宙人を名乗る男がくつろいでいて起こる騒動(No.001)。戦闘型宇宙人ディスクン星人の縄張り(山形県)で犯してしまった暴力沙汰から巻き起こる騒動(No.002~003)。その他にも、甲子園予選決勝のスタジアムへ向かうバスが、ナインの一人の潜在意識の中に閉じ込められてしまうお話(No.012~013)など、地球にやってきたドグラ星王子の悪ふざけから起こる騒動を軸に、さまざまな物語を織り込んだ傑作SF。

 冨樫先生のストーリーテラーとしての実力がいかんなく発揮された作品。
 主人公のバカ王子は他人が苦しんでいるのを見るのが大好きな人格の壊れた宇宙人。この物語はそんな王子に振り回される様々な人々を描いた作品であると同時に、冨樫先生特有の人間へのニヒルな視線が注がれたギャグ&シリアスな作品です。
 バカ王子に振り回される側近の一人のセリフはけっこう有名。

 「あいつの場合に限って常に最悪のケースを想定しろ。奴は必ずその少し斜め上を行く!

 主人公がこういう人物だけあって、彼が起こす騒動は一味も二味もひねってあって、その二転三転するストーリー展開は正に読者の想像の斜め上を行くものであり、一話読み終える度に冨樫先生の偉大さを実感するばかりです。ただ、少しばかり絵が雑になっている場面も見受けられます。しかし、それこそ冨樫先生の冨樫先生たる所以なのかもしれません。実際、僕の周辺ではネーム状態で原稿が『ジャンプ』に掲載される(『HUNTER×HUNTER』)ことについて、「冨樫はあれでいいんだ。あれでこそ富樫だ」「時々載っていると逆にありがたく感じる」とかいう声を(たまに)聞くことができます。
 練り込まれたストーリーに時間をとられ、絵がそうなるのか、それとも別の事情があるのか、それは僕にはわかりませんが、とにかくファンとしては『HUNTER×HUNTER』の早期再開を望みます。
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