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鮮やかによみがえる気持ち 福島聡『少年少女』

5edbd472.jpg 今日は福島聡『少年少女』。2001-2004『月刊コミックビーム』連載。第8回 手塚治虫文化賞ノミネート作品。

 「生きる不思議、死ぬ不思議」をテーマに少年少女を通じて生死のドラマを描く読切連作シリーズ。(『月刊コミックビーム』オフィシャルサイトより)

 優しさと残酷さを併せ持った連作短編集。同級生を殺してしまった少女と殺された同級生の弟の話(『触発』)、危く人を刃物で傷つけるところまでフラストレーションの溜まった少年が自転車を駆って家出をする話(「彼ら」)など身を切られるような感覚を覚える作品があると思えば、SFあり、ホラーあり、スポーツあり、とバラエティに富んだ物語群。
 僕のお気に入りは『憂鬱と薔薇』。この連作内だけでなく、僕の読んできた漫画短篇にランキングをつけるとしたら、かなり上の方に入るであろうお気に入り作品。(こっから先はちょっとネタバレ気味です)。

 うつ病のなつめの元にいつものようにハイテンションなクガ(久我)がやってきた。なつめをむりやり連れ出したクガはサイドカーに彼女を乗せて、薔薇を見せに行く。そして、唐突なクガの提案で二人はすっ裸になって薔薇の園の中を歩き回り、偶然居合わせた小学生に「オッラー」とスペイン語で挨拶をするという、そんなお話。

 喋り捲るクガに対して一言も喋らないナツメがモノローグで冷静に状況に突っ込むという描写が続き、形式的にもストーリー的にも非常に面白い。僕も普段鬱気味なので、なつめには感情移入ができたし、ラストの爽快感はたまりません。
 各巻の巻末と目次ページには鉛筆画のイラストがあり、こちらも毎回楽しみにしたものです。特に巻末には登場人物たちのその後が描かれており、注目。
 僕達が少年少女の頃に抱いていた世界に対する心の中のわだかまりみたいなものが鮮烈によみがえる良作です。
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