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SF読もうぜ(156) 福島正実『未踏の時代』

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福島正実による日本SF草創期の記録


 感動します。

 なにより真摯な姿勢に感激しますよ。やっぱり、真面目な方なんだなあ、と。

 ただ、本人が闘争家だけに、いろんな人とトラブルがあったようですけど。伊藤典夫氏などは、あとで感想書きますが、『オレがSFなのだ』の対談で、宇宙塵に『SFマガジン』の辛い批評を描いたら、「二度と来るな」とコラムを郵便で突き帰されたとおっしゃられてますし、筒井さんなんかも、『筒井康隆漫画全集』などで、福島さんに対する批判を行ってらっしゃいますね。

 『SFマガジン』の初期は福島正実さんの雑誌であり、福島正実さんのSFだったのでしょう。
 強い悔恨で始まる文章、そして、終章での未完の文字が悲しいです。編集者である自らの孤独などを吐露するあたりに、真面目すぎるゆえに妥協できない彼の悲劇がみてとれます。

 SFとの偏見と戦い、出版のジンクスと戦った人物の闘争の記録。道を切り開いた先駆者の苦悩に胸が熱くなりました。
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無題

  • by Takeman
  • URL
  • 2007/04/12(Thu)20:04
  • Edit
野田昌宏なんかはキャプテン・フューチャーの件で未だに根に持っているようで、福島正実は功績も大きかったけれど、功罪も大きかった人ですね。
福島正実のアンソロジーにはだいぶお世話になったけれども、私は翻訳者としての福島正実が一番好きです。

無題

  • by A・T
  • 2007/04/12(Thu)21:45
  • Edit
 作家としての福島正実氏は好きではないですね。編集者としては、SF黎明期にはこういった人は必要だったし、必然だったのかな、と思います。新進のSF作家は福島さんの好みに合わせないとマガジンに載せてもらえないという部分もあったようですから、たしかに功罪の罪の方もいろいろあったのでしょうね。
 僕は『夏への扉』の冒頭の文章や、『幼年期の終り』の生真面目な感じの訳が大好きです。

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