イワン・エフレーモフ『ソ連SF界の第一人者の社会主義的SF論』
「純粋なSF」という言葉を使って、ベムの登場するSFなどを排除しようとしています。一時期の日本の純文学みたいですな。ハードSFこそほんもののSFだ!ということでしょうか。次号に小松左京氏の反論が掲載。
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光瀬龍『辺境5320年』
地球連邦経営機構はついに都市連合に対して、委託資産の全面的凍結を通告した。しかし、都市連合はそれを簡単に受け入れた・・・・・・。なにか思惑があるのか?
うーん、微妙。ネイコアツという主人公の名前だけ印象に残った。
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A・トミリン『三人が帰った』
三人が地球に帰りついたとき・・・・・・。
うーん、微妙。僕の心が死んでるのか?
○
眉村卓『交替の季節』
石川利克はおかしな感じに陥っていた。記憶があやふやで、どうも仕事がうまくいかない・・・・・・。
なかなか面白かった。人間の記憶があてにならないものであり、常に再構成を繰り返しているのだというようなことが語られている(と思う)。
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平井和正『背後の虎』
妻が三度目の流産をした日、幸太郎は家を出るが・・・・・・。
うーん、結末にたどり着くまでの繋がりが感じられない。ちょっと、唐突感がある。
○
豊田有恒『パチャカマに落ちる陽』
インカ時代の人物に恋をしたゲルタは、法律に逆らってある行為を犯そうとするが・・・・・・。
うーん、ハッピーエンド?恋愛至上主義作品は好きなので。ほかはどうなってもいいわ、という感じに(むりやり)なったし。
野田宏一郎『SF英雄群像①バック・ロジャーズ フィリップ・フランシス・ノーラン作』
見たことないけど、なかなか面白そうではないですか。
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手塚治虫『SFファンシー・フリー』
最後は恒例のあのオチでした。
さいえんす・とぴっくす
折れ曲がる巨船の実験開始(日)がなんか面白い。
日下実男『海洋物語』
「8 南極に挑む」。キャプテン・クックとか、みんながんばってますなあ。
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チャールズ・ボーモント『変身処置』
誰もが顔をある年齢に達すれば整形する社会。だが、彼女はそれを拒否した!
自分とはいったいなんであろうか?という問題を含んだお話。
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ロジャー・ディー『招かれざる客』
地球を出発した宇宙船の中で彼はあることに気づく。
こういうお話はなかなか好きです。頭がすっきりする感覚がなんかうらやましい。
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A・E・ヴァン・ヴォクト『果された期待』
彼にはあらゆる知的能力が備わっていた。全天の星の運行も瞬時にわかった。ただ彼には、その能力を発揮すべき目的がなかった!
なかなか面白かった。神と化したコンピュータの設定が好きだす。
エドモンド・ハミルトン『時果つるところ』
身体構造の違う知的生物に対する偏見とか、現実世界に対するほのめかしがあるのかもしれないなあとか読んでいました。けれど、いまいち主人公たちの怒りが僕には実感できない。
総評:オレ、疲れてるなーと思います。心が死んでます。もうちょっと、ゆったりした気持ちでいないとなー。今月のベストもハミルトン。短篇では眉村さんの作品が面白かった。
SFカウンターのコーナーでは①火星のオデッセイ②蟻の園③銀河帝国④対象⑤時は癒す です。一位はぶっちぎりです。『対象』は好きな話なんですけどねー。
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