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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(172) 『S‐Fマガジン』1964年7月号

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1964年7月号


野田宏一郎『SF英雄群像⑨トーマス・エジソン ギャレット・P・サーヴィス作』

 『エジソンの火星征服』の紹介。『宇宙戦争』の世界の続きを描いたものだそうです。トンデモ系で面白そう。

ジェイムズ・ブリッシュ『コモン・タイム』

 ポック.その低いやわらかなビンのコルクを抜いたような一見何でもない音が彼を死の恐怖でしめあげる前ぶれだった!

 時間ものです。途中で切り替わる理屈がよくわからないのですが、まあまあ楽しめました。健康的な怪談話だと思います。

H・L・ゴールド『ねじれ』

 頭を強打したエドガー・ストーンは、神経の繋がり方がおかしくなって・・・・・・。

 なかなかよかった。感覚が逆になるっていうんだけど、もっとギャグをやろうと思えばできたんじゃないかなあ。

ウィリアム・テン『地球解放』

 諸君よ、さあ聞きたまえ。これは我等の祖先が、偉大な宇宙人の助けによって真の自由を獲得するまでの波乱の物語だ!

 後半からが楽しかったですね。だまされる人類の姿、そして、どんどん無思想になっていくのがよかった。強烈な思想なんて邪魔なだけですよね。戦争というのは、そもそも妄想から始まるものだと思います。

アーサー・C・クラーク『未来のプロフィル』

 第八章 アラジンのランプ。作ろうと思えば、原子の組み合わせでなんでもつくれるのでは?というお話だったと思います。

伊藤典夫『マガジン走査線』

 マレイ・ラインスター『スペースマン』の紹介。

ポール・アンダースン『長い旅路』

 巨大な太陰の輝くもと、伝説の黄金都市を求めて、西へ西へと船は進む!名作『タイム・パトロール』『脳波』で声明高い作者が、またも放つ力量感あふれる大作!

 というわけですが、なんか最後が気に食わなかったなあ。このキャプション見ると、なんだか『ワンピース』みたいですね。1961年ヒューゴー賞受賞作品。

大伴昌司『SFを創る人々・その13 福島正実 石川喬司氏』

 二人とも教養がある人です。

新着映画紹介 博士の異常な愛情

 スタンリー・キューブリックの映画の紹介。

さいせんす・とぴっくす

 心臓にメトロノームを(西独)今ではペースメーカーと呼ばれているものでしょうか。優先席付近では携帯電話の電源を切りましょう。

ロバート・A・ハインライン『コロンブスは馬鹿だ』

 酒場で恒星宇宙船ペガサス号機関長のアプルビイは友人に質問されていた。

 ほんとうにちょっとしたお話という感じですね。最先端を切り開くということは、根性がいるというお話です。

ロバート・シェクリイ『思考の香り』

 視覚的感覚器官のない獣たちがいる惑星にたどりついた郵便局員のクリーヴィ。彼は襲い来る獣たちから逃れることができるか?

 テレパシーで獲物の位置を察する動物たちとの行き詰る攻防戦。さらにギャグもあり。めちゃめちゃ楽しめました。木になるんだ、とひたすら念じる姿に笑いました。やっぱり、シェクリイの短篇は面白いです。

デイブ・ドライフーズ『人間』

 人間(マン)がその滞在期間に、我々に違う世界があることを教えてくれた。

 SS。強烈なオチはないけれど、動けない異星人と人間のコンタクトのなさが、よかったと思います。

山野浩一『X電車で行こう』

 未確認移動性放電非物質―――平たくいえば「幽霊電車」がある日突然、東京中のレールの上を我物顔に走り出した。

 たしかに文体や、キャラクターの描き方などはうまいんだけど、ちょっと鼻につく部分もあるかなあ。話自体はたいしたことないけれど、主人公のキャラクターがいいと思います。

SF DETECTOR

 筒井俊隆『トーチカ』と書いてあるけど、これは筒井康隆の間違いだよなあ。小品と書いてあるけど、確か『宝石』に載ったときは、ルビが全部振っていなかったというから、本来の味ではないはずなんです。『日本アパッチ族』岡本喜八監督で映画化!と書いてあるけど、実現したんでしょうか。

チャールズ・L・ハーネス『現実創造』

 究極的認識から、恐るべき結論が導きだされた―――地球はかつて平らだったのだ!俊英ハーネスの力作中篇!

 これは初めて読んだとき、びっくりしました!すべてを覆すようなこんな作品が大好きなんですよねえ。ハーネスの作品はスケールがでかいから大好きです。

 総評:ベストは『現実創造』でしょうね。これはすごい作品だと思います。シェクリイは、それこそ小品という感じなんですが、職人の作品だと思います。
 人気カウンター①機械が止るとき②無の障壁③ベムがいっぱい④偽態⑤夢魔の標的&作業指令書 けっこう接戦です。
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