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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

モラトリアム

   

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SF読もうぜ(298) 『S-Fマガジン』1966年10月号

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 ひっそりと活動再開です。

巻頭言


 SF作家の海外旅行が増えているとのこと。

野田宏一郎「SF実験室⑮ 人工衛星年代記」

 ツィオルコフスキーとかフォン・ブラウンとか、物語の端々にきく科学者たちの名前が登場します。国際宇宙ステーション建設中の現在、夢が現実になりつつありますし、サイエンスフィクションがサイエンスファクトになりつつあるのは、1966年だけでなく、今この瞬間もだなあと思いました。

筒井康隆「馬の首風雲録」第二回

 ブレヒトの戯曲「肝っ玉お母とその子供たち(Mutter Courage und ihre Kinder)」を下敷きとしたスペースオペラ第二回。面白い部分で引きにいきます。ここからが笑えるのだ。

レイ・ブラッドベリ「全額払い」PAYMENT IN FULL

 滅亡した地球の姿を目にした三人の男のもとに火星人が現われた。

 うーん?なにが面白いのか理解に苦しみました。最近、ハードボイルド小説を読んでるので、感情に走る人間に苛立つのかも。

A・E・ヴァン・ヴォクト「一缶のペンキ」A CAN OF PAINT

 初めて金星に降り立った男は、話しかける一缶のペンキに出会った。

 謎解き部分は科学オンチなのでピンと来ませんでした。オチは常套手段かなあと思いました。

エドモンド・ハミルトン「激突する太陽」CRASHING SUNS

 赤い恒星が太陽に衝突し、人類は滅亡する・・・・・・。最高評議会議長はそう発表した。ジャン・トールらは、その原因を調査しにいくが・・・・・・。

 単純に楽しめました。エーテル波を利用した高速で飛ぶ宇宙船。ワクワクするじゃないですか。一瞬で宇宙空間に浮かぶその描写が爽快です。醜悪な宇宙人の様子、自己犠牲を厭わない特攻など、戦闘シーンもなかなかでした。

中岡俊哉「中国民話とSF」

 一文目が「人民中国にはSFと名のつくものは皆無といってよい。」と始まります。民話らしくファンタジー調のものが多い。「青蛙の騎手」なんか題名がいいです。

大伴昌司「トータル・スコープ」

 「奥様は魔女」が好調な様子。スタートレック(Star Trek)がStar Trackとして伝わっている模様です。「大魔神」の写真が怖い。

伊藤典夫「SFスキャナー」

 スターシップものの紹介。紙幅を使われているのはオールディスの長篇「スターシップ」、エドマンド・クーパー「光の種子」。光の種子は核戦争後の世界を描いたこともあり、読んでみたい一品です。が、調べてみたら未訳でした。

石川喬司「SFでてくたあ」

 小松左京「果しなき流れの果に」が単行本化。他『タイム・パトロール』『天翔ける十字軍』刊行。

さいえんす・とぴっくす

 電子ガードマン(西独)の記事は電波を使った警報機の開発を伝えています。今では当り前の技術になっているものも、最初はこうやって開発されていくのですねえ。

石原藤夫「宇宙を渡る声 宇宙コミュニケーションのSF的考察」

 宇宙人との交信は可能か?衛星中継の話などを交えつつ、連載のプロローグです。

小原秀雄「SF人類動物学 ⑧人類の特長 失った過去、得た現在、そして未来」
 
 人間は視覚を発達させ、残りの感覚を切り捨ててきた。犬の第一の感覚は嗅覚であり、嗅覚により世界を認知する。一度、犬になってその世界のありようを味わってみたい気持になりました。

ワイマン・グイン「空飛ぶヴォルプラ」VOLPLA

 代謝加速器の中で育った彼ら――ヴォルプラ。言語を操るまでになった彼等を用いて、開発者の「私」は世間を驚かすいたずらを思いつくが・・・・・・。

 面白い。細かい設定がもう少し詰められていたら☆評価でもよかったかもしれません。頭の中でヴォルプラの可愛らしいイメージが勝手にわいてきましたが、途中からそれが少しこわいものに変じてきたりして、なかなかすてきなサイエンスファミリーファンタジーです。ラストが好き。

コードウェイナー・スミス「鼠と竜のゲーム」THE GAME OF RAT AND DRAGON

 宇宙の真空にひそむその恐るべき危険を未然に防げるのは、エスパーの超能力とその愛すべき“パートナー”の闘争本能だけだった!

 いわずと知れた名作。伊藤典夫による「不思議な作家」という作者紹介があります。やっぱりラストの一行がよいです。そういえば『ノーストリリア』が復刊されていました。

大伴昌司「活気的なスーパー・マリオネーション サンダーバード」

 サンダーバードの特殊技術・ストーリーラインなどの紹介です。ペネロープ嬢の美しさには誰もがやられるようです。

真鍋博「わが未来美術館」

 ブリューゲルの「バベルの塔」やダリの「記憶の固執」、エッシャーの絵画などが取り上げられています。僕もこのような絵が大好きなので、興味深く読みました。ここにはないけど、マグリッドの絵なんかもすばらしいと思います。

安部公房「人間そっくり」中篇

 感想はこちら

総評:七月号の人気カウンターは1位「百億の昼と千億の夜」2位ムアコック「乱流」3位ミラー「風たちぬ」4位ナース「灼熱面横断」5位筒井康隆「トラブル」。あの「トラブル」が5位だなんて・・・・・・。ベストはもちろん「鼠と竜のゲーム」。ただし、この作品表紙にも扱われておらず、期待値は低かったようです。
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