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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(299) 「S‐Fマガジン」1966年11月号

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1966年11月号



巻頭言

 今回は編集長F氏が欧州旅行に旅立ったので、M氏が代役です。安部公房作品を推しています。

野田宏一郎「SF実験室⑯ SF漫画英雄群像」

 スーパーマンを始めとして、キャプテン・マーベル、グリーンランターン、バットマンなどが紹介されています。ちなみに超人テーマの代表クラシックは、ワインバウムの「The New Adam」、ステープルドン「Odd John」、ヴォクト「スラン」、フィリップ・ワイリー「Gladiator」の四作品だそう。

安部公房「人間そっくり」

 感想はこちら

アーサー・クラーク「白鹿亭綺譚 特許出願中」PTENT PENDING

 レコードのように感覚を再生できる機械の発明。始めはグルメ。そして、開発者が手をつけたのは人間の欲望が行き着くところだった。

 紹介文に「今回はあなたをきっとニヤリとさせます」とあるのですが、一回読んだことがあるので、最初からニヤリとしていました。これが発明されたら、もうテレビもAVも駆逐されちゃいます。でも、イギリス人らしく最後まで上品に終わるところがよろしい。

トム・ゴドウィン「冷たい方程式」THE COLD EQUATIONS

 宇宙は人間に決して妥協を許さない。だが、そこに一人の少女の命がかかっていたとしても、冷たい方程式が人間の方程式に変ることはないのか?

 シオドア・スタージョンが自分にもっとも影響を与えた作家と作品として挙げたリストの中に含まれている作品として、伊藤典夫氏に紹介されています。スタージョンのベタ褒め評も載っています。SF史に残る屈指の名作なのでしょう。

久野四郎「いなかった男」

 「私」のもとに訪ねてきた友人は、若い女を伴っていた。彼女の夫が姿を消したというのだが、調べるにつれてわかってきたのは、彼が存在しないはずの男だということだった。

 ファンタジーホラー。最初は単純な時間ものかと思ったら、二段構えのオチがあってよかったです。作者についてはよく知らないのですが、他に作品があれば読んでみようと思いました。

スタニスラフ・レム「泰平ヨンの航星日記 地球の巻」

 その偏屈な科学者は言った。「あなたは魂のことをどうお考えになりますか?」彼の家を訪れたヨンが見たのは箱に入れられたいくつもの人生だった・・・・・・。

 すばらしい。「胡蝶の夢」のテーマです。押井守作品で何度も味わった、あの現実と夢の問題が哲学的に最後に語られ、神の問題であるとか、世界のありようであるとか・・・・・・。話の面白さももちろんありますが、レム作品は、やはり、深い。

柴野拓美「メイコン・レポート」

 第五回日本SF大会(名古屋市)のレポート。

大伴昌司「トータル・スコープ」

 「怪獣ブースカ」が放映中。ブースカはかわいくて好きだなあ。また、水木しげるが「昨年彗星のごとくあらわれた」と表現されており、時代を感じます。こちらは「悪魔くん」の実写化。

石原藤夫「宇宙を渡る声②地球から月へ その1=アポロ計画と通信」

 
アメリカの宇宙計画とそれに通信がいかに生かされるかが書かれています。そうか、1966年には、まだ人類は月に達していないのだと今さらながらに思いました。

伊藤典夫「SFスキャナー」

 英米の出版事情。アメリカ版は売らんかな主義がはこびりすぎてるから、イギリス版をお買いなさい。確かに比較を見てみると、イギリス版のほうが圧倒的に作者も編集も丁寧。今はどうなのかな。

石川喬司「SFでてくたあ」

 眉村卓「幻影の構成」出版。筒井康隆と比較されています。やっぱり、ライバルだったんだなあ。

さいえんす・とぴっくす

 天才少女のその後(ソ連)の記事。十五歳で大学生の天才少女。すごい子もいるもんですねえ。

日家実男「うるとら世界周航記 ①まだ船は出ていない」

 漂流ものが好きなので漂流のくだりが面白かったです。航海は来号からです。

ゴードン・R・ディクスン「愛想のいいやつ」

 タイムマシンで数万年後の未来にやってきたマーク。しかし、彼を出迎えたのは彼の時代と同じ服装のやたらと愛想のいいやつで・・・・・・。

 面白いのですが、なんだか凡庸な感じが否めませんでした。時間もの、未来ものなどいろんな要素の入った作品です。

ジェイムズ・E・ガン「あなたとならば何処までも」WHEREVER YOU MAY BE

 タイヤが車軸から外れ転がっていったのだ。卒業論文執筆のため山小屋に向かった道中で彼はその娘と出会った。そして次々と起こる不思議なできごと。

 オカルトSF。ポルターガイストを軸にしていますが、なんといっても怖いのは少女のストーカー気質。気に入らないことがあればやられてしまいそう・・・・・・。魔女の能力をもつ少女と山小屋で二人きり。世間から隔絶された状態でこの先二人に何が起こるのか?次号に期待。

 総評:8月号の人気カウンターは1「百億の昼―」2ヤング「ジャングル・ドクター」3福島正実「ちがう」4ガン「家なきロボット」5眉村卓「重力地獄」次点筒井康隆「火星のツァラトゥストラ」。なぜ「火星のツァラトゥストラ」が選外なのだ!
 自分としては当たりの号でした。「冷たい方程式」は金字塔的作品ですし、レムの作品はユーモアがありながらもずしりと重い。復刊したものも積読にしてるので読まなくちゃ。
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