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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(93) 『S-Fマガジン』1962年7月号

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高橋泰邦『21世紀の夢 新世紀の魚族―七つの海を駈ける潜水船―』

 原子力の船が世界中を駆け巡っている様子。コンピュータ制御で事故の確率はないそうで、この前の自衛隊の接触事故みたいなことはないそうだ。それにしても、原子力潜水船の事故はやっぱり怖いぞ。

サイエンス・スクリーン

 スタンリー・カブリックが製作中の『恐怖の微妙なバランス』っていうのは、『博士の異常な愛情』のことでしょうね。原作の『滅亡への二時間』というのはちょっと読んでみたいなあ。

クリス・ネヴィル『ベティアンよ帰れ』

 両親を交通事故でなくし、養父母に孤児院から引き取られたベティアン。彼女は養父母に感謝しながらも、自分が異質な存在であり、他人に理解してもらえない悲しみを抱いている・・・・・・。そんなとき、彼女を訪ねてくる人物があり・・・・・・。

 うーん、大好きな不定形生物もの。ラスト・シーンには心打たれるものがあります。作者はこの作品が出世作だそうで、「ベティアン・ネヴィル」と呼ばれていたそう。これは長篇版もあるようなので、読みたいなあ。

ミルトン・レッサー『ペンフレンド』

 ロマンチストなオールドミス、マチルダは理想の相手を文芸誌の文通欄でさがしている。そんなとき、彼女のお眼鏡にかなう人物が・・・・・・。

 クスリと笑う程度の作品ですが、最後の最後でSFになったので安心しました。

アーサー・C・クラーク『親善使節』

 地球に着陸した異星人一行は地球の政府と接触を取るべく、地上に降り立つのだが・・・・・・。

 異文化接触コメディ。「白鹿亭」の名前が出てきたりして、けっこう楽しい。

斉藤守弘『サイエンス・ノンフィクション[8] 宇宙人応答せよ』

 「優良宇宙人と交流する会」というものがあって、地球外存在との交信ができるおばちゃんがいるそう。このご時世、地球人はオリオン座あたりから発進される悪霊波の影響で、精神面をおろそかにしているのだそう。しかし、浩宮ご誕生と同時に霊波は善なるものに変化したのだそうだ。なんじゃそりゃ、と筆者も突っ込みを入れています。「と学会」の先駆け?

草下英明『スペース・ファンサイクロペディア⑪宇宙スター名鑑』

 いろんな星のプロフィールを公開。

『S・Fらいぶらりい 洋書棚―ペーパーバック』

 ペーパーバックの紹介。J・G・バラードも新人と紹介されています。その他、ハリスン『ステンレス・スチールラット』や、ヴォクト『スラン』、ステープルドン『スターメイカー』などが気になりました。

エドモンド・ハミルトン『追放者』

 SF作家の集まりの中で、一人の作家が語り出したこととは?

 こういうメタフィクション的な作品はけっこう書いてるのかなあ。『ベムがいっぱい』も似たような傾向があったし。

スタニスラフ・レム『泰平ヨンの航星日記 第14回の旅』

 惑星エンテロピアへの旅へ出た泰平ヨン。そこで、彼はクルドリ狩りを楽しもうというのだが・・・・・・。

 うわあ、面白い。筒井康隆の『マグロマル』みたいなギャグが目白押し。クルドリ狩りの様子もそうとう面白いし、隕石がボカボカ降って来る様子とかも、壮大でいい。ラストもなにか意味深でいいし。これは、高いお金を出してでも、ハヤカワ文庫のものが欲しくなってきてしまう・・・・・・。

石森章太郎『迷子』

 ページ数が少なすぎるのでしょうか、もう文字だらけで、ごちゃごちゃしすぎです。ロボットの姿が「ロボコン」みたいで、か、かあいい(新井素子風)。

さいえんす・とぴっくす

 「米、月ロケットにまたも失敗」の記事。まあ、NASAはこのほど、月基地から惑星探査の計画を発表しましたから、失敗を教訓に前進し続けてきたといえるでしょう。がんばれ、NASA。そして、日本の宇宙開発もがんばってほしい。

マレイ・ラインスター『宇宙震』

 地球を「宇宙震」が襲った。この現象は巨大な質量の物体が太陽系を通り過ぎることによる、つまり、巨大宇宙船が通過することが原因だと睨んだブラディックは行動を開始する。

 途中まで興奮して読んだんですけどねー。とってつけたようなラストと、解決手段になんじゃそりゃ、と脱力してしまいました。拡時界装置っていうのは、「精神と時の部屋」(ドラゴン・ボール)みたいなもんですね。

光瀬龍『ボレロ1991』

 ミュージカル音楽、「ボレロ1991」が大ヒットしたその頃、人々が次々に高血圧症で倒れるという事件が頻発する。

 面白い!ここまでの日本人作家ではダントツに質の高い作家ですね。生物の先生だけあって、解説も実に説得力あるし、語り口もけっこう巧みだと思います。

宮崎惇『緑の霧』

 生物園にいった子ども達のうち、男の子三人が行方不明になった。彼らは結晶体のようになって死んでいた。いったい、犯人は?

 うーん・・・・・・。いまいち。シリコニイをだしたり、クァールをだしたり、マニア的な楽しみはあるけれど、物語になっていないのでは?と思いました。まあ、後の投稿欄で褒めてらっしゃる方もいるので、僕個人の意見でしょうが、うーん?

ジョン・W・キャンベル・ジュニア『月は地獄だ!』連載第三回

 ちょ、超面白い!ついに宇宙船まで作ってしまった。「城」を作り上げたのにも感服するし、そこにある材料でなんでも作ってしまう。科学ってほんとにすごいんだ。しかし、彼らに忍び寄る新たな食糧危機・・・・・・!どうなるんだあ?次号に期待。

 総評:やっぱり、『月は地獄だ!』です。もう、はまりまくっています。最終回が楽しみ。次号は『特集 機械が支配する!』。好きなシチュエーションなので、さっそく読みにかかります。
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