◎
『クラウン・タウンの死婦人』
少しの手違いから、禁じられた名前を持った魔女医者エレインは、下級民の住む町に入り込む。そこで、彼女はド・ジョーンと呼ばれる犬娘との出会いを果たし、人間の女性の人格をコピーされたロボットに「予言」を与えられる。そして、後世に語り継がれる物語が紡ぎ出される。
革命や殉教の話は大好きで、やはりこれも面白かった。後世の歴史物語を断片的に提示しながら話を進めるこの小説作法は経験したことがなくて、すごく面白いです。モデルとなったジャンヌ・ダルクの生涯と重ね合わせて読むと面白さ倍増です。
△
『老いた大地の底で』
死を数ヵ月後に決定したロード・ストー・オーディンは補完機構が与えている人々の幸福に疑念を抱いていた。彼はどんな規則も、どんな刑罰も適用されないゲビエットという保護区域に向かう。
これはよくわからなかった。本を読んでいる時に受ける印象というのは自分が読んでいる環境にも左右されると思うけれど、ちょくちょく中断したのがいけなかったのかもしれない。でも、わかりにくいですよね?
◎
『帰らぬク・メルのバラッド』
正義を愛するジェストコーストは下級民を「人間」と認めさせるため、下級民である猫娘ク・メルと接触を図った。ク・メルは彼を下級民の支援者としてだけでなく、男性として意識する・・・・・・。
遊び女という翻訳がいいですね。愛情の形は人それぞれ・・・・・・。純愛です。
☆
『シェイヨルという名の星』
第一級の犯罪者だけが送り込まれる、究極の流刑地シェイヨル。この星でどんな過酷な刑罰が実施されているか、知る者はいない。分かっているのはただひとつ、シェイヨルが死のない世界だということ。つまり、受刑者の苦難は永遠に続くのだ・・・・・・。
ブラボー!プロディジュー!むさぼるように読みました。生き地獄のようなシェイヨルの光景。身体から手足が生える恐怖!おぞましい奇形の世界は乱歩の世界に近いものがあり、また、それでいて全然違う。死ねない苦しみ、生き永らえる苦しみ、怖気が体中を走り回り、それでいて、次へ次へ、読み進めてしまう。そして、歓喜のラストへ。あと数行を読み終えるのが惜しいことといったら!
総評:基本的には上の評価記号はその作品の中の相対評価として、×△○◎とつけているわけですが、人類補完機構での○は限りなく、絶対評価の◎に近かったのです。しかし、この短編集では、そんな次元を超えて、◎以上の評価☆を作り出さなくていけなくなりました。それだけ、興奮して読みました。特にシェイヨルは今まで読んできた人々のその後の物語が読めるのもお得感があって、面白さ大爆発!
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