野田宏一郎『SF英雄群像⑪ジェリー・カーライル アーサー・K・バーンズ作』
これは面白そうだ!載っている宇宙生物のイラストがポケモンみたい。ゲットだぜ!という感じのお話ですかね。翻訳が一冊だけあるようですが、読んでみたいなあ。
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ジュディス・メリル『われら誇りもて歌う』
夫の夢は、もはや彼女のものではなかった。ひしと寄り添う二人の間を、あのロケットは目に見えぬ壁で隔てているのだった!
情感あふれる物語。悲恋の物語SF版という感じ。
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クリス・ネヴィル『ヘンダースン爺さん』
ジョーイはひどく退屈した。金星でも火星でも好きな惑星に行けるのに、昔ヘンダースン爺さんが月に行った話などすこしも面白くなかったからだ・・・・・。
不快だ。こういうお話はダメです。僕、お爺ちゃん子だし。
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眉村卓『還らざる空』
気象投影装置が突如狂いだしたとき、市民は色を失った。なぜか彼らは、一人として装置のありかを知らなかったのだ。
なかなか面白い。雰囲気的に光瀬龍の作風に近いかな?でも、途中の伏線を最後回収するところが好きでした。
○
F・ポール&C・M・コーンブルース『火星地下道』
地下都市群を縦横に結んで、滅び去った火星文明の偉大さを偲ばせる広大な地下鉄道組織―――そこにひそむといわれる凶悪な地下食人種の正体は?
最初はいい雰囲気だったんですがねえ、途中から台無しですね。でも、洞穴のシーンが雰囲気が乱歩の『大金塊』みたいだったので。
草下英明『SF宇宙生物学講座 宇宙は生命に満ちている』
宇宙に生命は存在するか?という連載。
SF DETECTOR
小松さんのSFルポ読んでみたいなあ。
アーサー・C・クラーク『未来のプロフィル』
第八章 薄明の時代。最終回。年譜つきです。
大伴昌司『SFを創る人々・その15 眉村卓 筒井康隆氏』
筒井さんのインタビューが面白い。『タック健在なりや』を読むと、この二人の関係をいろいろ連想しますなあ。
さいえんす・とぴっくす
空から巨大なオワンが(米)オワン型容器で降下してくる兵士たち。ガンダムみたい。
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A・E・ヴァン・ヴォクト『拠点』
レアルテス第三惑星―――このちっぽけな星を占拠することが、苛烈なラル対地球戦争における、絶対的な勝利を意味するのだ!
うーん、微妙です。ぼーっと読んでたからなあ。こちらの読書態度に反省あり。ヴォクトさんすんません。
○
A・コリツォフ『黒い光』
遺伝記憶の再生によって不滅の記憶を得た人々でさえ思い出せない過去を、ダントは持っていた。それは遠い星の記憶だった!
遺伝記憶を読むというのが面白かった。先祖の記憶を共有し続けるっていうのは、エマノンっぽいなあと思いました。
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リチャード・マティスン『終りの日』
人類最後の日はもう来る。乱交、殺戮の夜が明け、主人公は虚しさを覚えている。彼は母親に会いに、車を駆って、町を脱出する。
これも二度目だ。『ひる』と共に、河出のアンソロジーに収録されていた。しかし、やっぱり最後の場面がしみじみとしていい。
◎
コンラッド・リクター『第二の機会』
もはやそこには、緑豊かな懐かしい彼のふるさとはなく、醜い軍需工場の立ち並ぶ虚ろな砂漠があるばかりだった!
アメリカでは志賀直哉みたいな作家だという紹介。これは彼にとって珍しい型の作品なのだそうでそんなものをSF専門誌に載せる必要はあるのかと問われればないと思ってしまうのですがけっこう面白かったのでまあいいかと思いつつやはりある程度文章は簡潔でしっかりしていたほうがリアリティあっていいなと思いました。
△
ウォード・ムーア『新ロト記』
終末の予感に、ジモン氏は家族を連れて、車で南へ向かっていた。しかし、道中、二人の息子と妻は知性のない文句ばかり。理解してくれるのは娘のエリカだけ・・・・・・。
いや、面白いのは面白いけどね。読んでるうちに気分が沈んできちゃうんですよ。結婚って怖いのお。
総評:ベストは『第二の機会』。たいした作品じゃないとは思いますが、ノスタルジーとか、怒りとか、いろんなものがつまっていて、さらに重要なのは地に足がついているという感覚です。これだけ、荒唐無稽なお話が続くと、逆に新鮮。
人気カウンター①人間の公式②捕虜第一号③ミュータント兄弟④消滅作戦⑤休息の時 自分の大好きな作品が下位になると、なんだか悲しい気持ちになりますね。『消滅作戦』面白いと思うんだけどなあ。
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COMMENT
無題
力作だけに,けっこう,しんどい作品が多い(特にメリルのがねえ)なかで,私も,「第二の機会」が気に入りましたね。
ちょいと教科書的ではありますが,ハッピーエンドでもなかったような。私のブログでもまた取り上げてみたいと思っている作品です。
無題
『第二の機会』はノスタルジックだけれども、それだけに終らないところが、よかったと思いました。