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スパイの世界は人材不足 佐々木倫子『ペパミント・スパイ』

73672d59.jpg ジェームズ・ボンドで有名なイギリスの諜報機関MI6がスパイを公募しているそうです。なんか面白いニュースだったので今日はスパイ漫画を。佐々木倫子の『ペパミント・スパイ』です。

 佐々木倫子のおくるスパイコメディ。某国の秘密諜報機関はスパイをポスターで公募していた。図書館で友人がスカウトされているのを見かけた主人公は「ぜひ自分をスパイに!」と自己PRするが逃げられる。しかし、主人公は逃げたスパイ養成学校のスカウトマンを尾行し、臨時面接採用試験の会場にたどりつき、実力なのか、運なのか合格してしまう。コードネーム「ドナルド」となった彼は一流のスパイになれるのか?

 佐々木倫子といえば『動物のお医者さん』ですが、他の作品も負けずに質が高いです。佐々木作品を分析すると、トラブル・メーカーがいて(漆原教授や菱沼さん、『Heaven?』におけるオーナー)、周囲の人間がそれに困惑するといったパターンが自ずと浮かび上がってきます。
 この作品でいえば、トラブルメーカーが主人公の「ドナルド」、そして困惑するのがコードネーム「委員長」とスパイ養成学校の校長。この二人の困惑ぶりとドナルドのおとぼけぶりが最高。
 『動物のお医者さん』文庫版の解説で綾辻行人氏が指摘していたように、佐々木作品というのは最初に謎が提示されて、それを解決するというミステリーの構造になっています。スパイマンガであるこの作品はコメディとしてのほのぼのさとサスペンスを併せ持った不思議な味わいになっています。きちんと張られた伏線とその見事な回収が気持いいです。
 単行本未収録作品があるそうなので、ぜひ完全版を出していただきたいですね。白泉社さんお願いします。
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